終戦まで地方では旧正月が重視されていました。私の祖母は旧正月にご馳走を食べ雑煮やお汁粉を食べていました。宮城県の農村地帯の登米の出身でしたから旧暦を使っていたのです。
つい何年か前まで使っていたカレンダーは新暦でしたが小さな字で旧暦が併記されていました。嗚呼、今日は旧暦の何月何日だと昔の桃の節句や端午の節句を思い出して懐かしい気分になっていました。
それなのに最近は旧暦が併記されたカレンダーが少なくなりました。
旧暦が消えてしまったのです。旧正月も消えてしまったのです。何故か日本文化の軽さを感じます。
今日は旧暦や新暦にまつわる話を書きたいと思います。
旧正月は大陰暦に基づく旧暦の1月1日でです。今年の2022年では2月1日です。
この旧正月は中国大陸・香港・ベトナム・台灣・モンゴル・ブルネイ等では最も重要な祝祭日の一つです。新暦の正月よりずっと盛大に祝われているのです。
日本では沖縄と奄美に現在も旧暦が使われています。それから日本の神社や寺では旧正月に祭が開催される所が多いのです。初詣客が参拝する正月と旧正月と二度行うところも多いのです。
奄美や沖縄では旧暦が残り沖縄のカレンダーは、「旧暦カレンダー」と銘打ったものでなくとも旧暦の記載が当たり前です。「旧暦カレンダー」は年中行事や吉凶の判断などに重要な役割を果たしています。
そのような沖縄のカレンダーの中でも、とくに代表的なものに東洋易学学会総本部編纂の「沖縄琉球暦」というものがあります。
日本の農村地帯では終戦まで沖縄ほどではありませんが旧暦が重視され農作業に利用されていました。
新暦への 改暦は明治5年11月9日に布告し、翌月に実施されましたが社会習慣は一気には変わらなかったのです。特に農村地帯では終戦まで旧暦が重視されていたのです。
日本人の季節感にも合っていて長年慣れ親しんできた旧暦に基づく生活サイクルは簡単に切り替えられるものではありません。
現在のように新暦が人々の生活に定着したのは、高度経済成長期を始まった昭和30年代以降のことと私は考えています。
一方、韓国は旧正月を現在でも盛大に祝います。(https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=436)
韓国の旧正月(ソルラル)は陰暦の1月1日です。
韓国では西暦の1月1日よりもソルラルのほうを重要な行事として盛大に祝います。日程は毎年変わりますが、大体1月の終わりから2月の中旬頃です。今年は2月1日です。当日と前後の2日をあわせて、3日間前後が連休になります。2022年の旧正月連休は土日を含めると1月29日(土)から2月2日(水)までの5連休になります。
韓国では西暦の1月1日よりもソルラルのほうを重要な行事として盛大に祝います。日程は毎年変わりますが、大体1月の終わりから2月の中旬頃です。今年は2月1日です。当日と前後の2日をあわせて、3日間前後が連休になります。2022年の旧正月連休は土日を含めると1月29日(土)から2月2日(水)までの5連休になります。
写真で韓国の旧正月の様子をご紹介致します。

1番目の写真はチマチョゴリ(韓服、ハンボッ)を晴れ着として着た子供です。ソルラルを迎えると気分新たに出発するという意味をこめて新しい服や靴、靴下などに身を包みます。 

2番目の写真は伝統の形式にのっとり老人へおじぎをする 人形です。年配の人や目上の人に順におじぎをしていき、徳談(トッタン、祈りやお祝いの言葉)を交わします。 挨拶が終わると子どもたちにセベットンといわれるお年玉を渡します。

3番目の写真は旧正月を祝う茶礼の供養物です。韓国では祭祀(チェサ)という法事を行い神や先祖をまつります。ソルラルの際は、それを簡易化した茶礼(チャレ)が開かれます。儀式の際に茶礼床(チャレサン)と呼ばれる特別な供養物を用意します。

4番目の写真は正月遊びのシーソーです。
お正月遊びは子どもだけでなく大人も一緒に楽しみます。
民俗遊びの中でも特に親しまれているものは、ヨンナルリギ(凧揚げ)やペンイチギ(こま回し)、ユッという木の棒を使ったユンノリ、細長い板の端に乗った2人が交互に飛び上がるノルティギなどがあります。
民俗遊びの中でも特に親しまれているものは、ヨンナルリギ(凧揚げ)やペンイチギ(こま回し)、ユッという木の棒を使ったユンノリ、細長い板の端に乗った2人が交互に飛び上がるノルティギなどがあります。
ソルラル連休中の古宮や文化体験広場ではこれら民俗遊びや伝統体験に参加できるイベントも開かれています。
旧正月のは食べられる料理の1つがトックッがあります。うるち米で作ったトッ(餅)と野菜などを煮たスープです。元来は厳粛な心をもつため、餅以外は何も入れなかったといいます。
旧正月のは食べられる料理の1つがトックッがあります。うるち米で作ったトッ(餅)と野菜などを煮たスープです。元来は厳粛な心をもつため、餅以外は何も入れなかったといいます。
以上のように韓国では旧正月の伝統文化を現在でも守っています。何故か文化の厚さや重厚さを感じます。
私個人は日本ももっと伝統文化を大切にすべきと考えています。西洋化も良いのですが伝統文化を大切にすべきと考えています。
今日は旧暦や新暦にまつわる話を書きました。特に韓国の旧正月をかなり詳しくご紹介致しました。欧米化も良いのですが伝統文化も大切にしたいと思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)