今日は思い出の多い多摩川について書いてみたいと思います。
多摩川のお世話になったのは、1962年に東京に住むようになって現在までの60年間です。東京の西郊の小金井市に住み始めたので、週末は必ずのように娘と息子を連れて多摩川上流に行き、川遊びや焚火や釣りを楽しんだのです。当時は川原で焚火をするのが普通で、子供たちに枯れ木にマッチ一本で火をつける方法を教えたものです。
一番、足しげく通った場所は御岳駅のそばにある国際マス釣り場の川原でした。川原が広がっていて流れも浅く子供の水遊び適していたからです。3歳の息子が浮き輪に乗って流れてしまい、家内が必死に追いかけた光景が忘れられません。
そして御岳駅のそばの玉川屋というソバ屋にもよく行ったものです。高い場所にある茅葺の昔風の家です。近くには多摩川に沿って幾度も訪れた玉堂美術館や古風な旅館の河鹿苑があります。
玉川屋からは山が見渡せて気分の良いソバ屋です。玉川屋の下に東華園という中華店もありました。
多摩川の面白さはその支流の川原にもあります。例えば都立養鱒試験場の脇の荒れた山道を根気よく車で登って行くと小さな盆地に出ます。真ん中を多摩川の支流が流れています。浅いので車をそのまま入れて渡ると焚火の跡があちこちにある小さな盆地に出ます。大げさに言うと自分達だけの桃源郷のような感じがする場所なのです。何度も、何度も行きました。焚火をして持参のオニギリを食べます。
このように多摩川は私共家族の遊び場であり週末を楽しむ場所でもありました。青梅にあった室内スケートリンク、御岳駅の傍のリンクや沢井の天然氷のスケート場などは家内が60歳になるまで通ったものです。
よく行った奥多摩湖、玉堂美術館、御岳神社、そして鳩ノ巣渓谷についてもご紹介しようと思います。
さて多摩川の水源です。山梨県の笠取山を源とし、上流部では柳沢峠から流れ込んでくる柳沢川と合流し、そこから下流は丹波川(たばがわ)と呼ばれ奥多摩湖に注いでいます。
多摩川と呼ばれているのは奥多摩湖の湖水の出口である小河内ダムより下流からなのです。
多摩川は両岸に堤防のない部分が多いので、野草や野鳥が数多く自然豊かな昔のままの川なのです。それこそが多摩川上流の一番の魅力なのです。
さて奥多摩湖ですが、この山奥の大きな湖は第二次大戦をはさんで困難な工事の末、1957年、小河内ダムの完成により出来た人造湖なのです。
1番目の写真は一昨年、自分で撮った奥多摩湖の写真です。
巨大なダムの上を歩いていると周囲の山々の緑が碧い湖面に映って素晴らしい景観を見せてくれます。
湖岸をさらに奥に行くと、左手に奥多摩周遊道路があり、そのまま直進すると柳沢峠を越えて甲府盆地に抜けられます。
奥多摩にある美術館は多摩信用金庫が作った多摩美術館と御岳駅の下の河合玉堂美術館があります。
玉堂美術館には大作が展示してあるので何度も行きました。
2番目の写真は玉堂美術館の入り口の写真です。
川合玉堂は日本画壇の巨匠です。昭和19年から昭和32年に亡くなるまでの10余年を御岳駅のそばに住んでいました。
3番目の写真は彼の作品の一例です。私の好きな絵を勝手に選びました。
玉堂は自然を愛し、人を愛し、その人柄は土地の人々からも慕われました。
玉堂は伝統的な日本画の本質を守り、清澄にして気品のある独自な作風を展開しつつ、明治・大正・昭和にわたって作品をえがいて来ました。
次は御岳神社をご紹介いたします。
4番目の写真は御岳神社です。この御岳神社の奥の御岳山頂に登ったり尾根の縦走もよくしました。その他の奥多摩の山々にも登りました。
御岳神社は文暦元年(1234年)に大中臣国兼が荒廃していた社殿を再興し、以降は修験場として知られ、関東の幕府や武士から多くの武具が奉納されています。
ケーブルの山上駅から武蔵御嶽神社へ続く参道、門前町の集落には、天然記念物「神代ケヤキ」、二十数軒の宿坊、御岳ビジターセンターがあります。奥に奥の院、その奥に大岳山があります。
次は鳩ノ巣渓谷です。
5番目の写真は鳩ノ巣渓谷です。 JR鳩ノ巣駅で下車、青梅街道を渡って下に降りると、そこは清流が縫う鳩の巣渓谷があります。多摩川の上流部です。
都内とは思えないほど美しい自然に恵まれた観光地です。
全くの余談ですが、1960年の夏に婚約時代に家内と初めて小さな旅をしたところがこの鳩ノ巣渓谷でした。もう62年も昔の話です。
写真にもっと奥多摩の風景をお送りいたします。自分で撮った写真です。
6番目の写真は御岳駅の近くの國際マス釣り場上流の多摩川です。
7番目の写真は御岳駅の近くの國際マス釣り場です。多摩川そのものに多量のマスを放流して釣り客に楽しんでもらっています。
8番目の写真は中流の羽村の堰の丘の上から見た多摩川と奥多摩の山波です。羽村の堰から江戸まで玉川上水があり江戸へ生活用水を供給してました。
9番目の写真は羽村の堰のすぐ上流の多摩川です。見晴らしが良いのでよく行った所です。
今日はあまり長くなるので多摩川の支流の秋川渓谷の観光地は省略しました。しかしそちらには養沢の鍾乳洞や払沢の滝や数馬の里のような観光地が沢山あります。その方面はJR五日市駅からバスで入ります。
今日は思い出の多い多摩川について書きました。娘と息子を連れて川遊びや焚火や釣りを楽しんだ清流の川でした。
皆様にもそんな川遊びの楽しかった思い出があると思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)