日本語にはいろいろな方言があります。また日本語の歴史的な変化を調べると実に多数の本や論文があります。日本語は時代の流れに従って大きく変化して来たことに驚きます。
明治維新で学校では標準語を教え普及させました。そして戦後のテレビの普及で日本人全員が標準語を理解するようになったのです。
方言は日本語の重要な一部だったのです。しかし現在は日本各地の方言が消えゆきつつあります。そこで方言の一例として仙台弁をご紹介したいと思います。昔日常に使っていた懐かしい仙台弁です。
昭和11年、1936年に生まれた私は1954年に東北大学に入るまで純粋な仙台弁を話していました。しかし東北大学へは全国からの人が入学します。純粋な仙台弁では話が通じないのです。標準語らしい日本語を使いはじめました。
そして仙台弁を恥ずかしく思いました。自在に標準語を話す人を尊敬するようにになったのです。
特に標準語を話す女性はそれだけで魅力的でした。その結果私は東京の女性と結婚しました。現在の妻は老いましたが言葉だけは若い頃と変わらないで綺麗な発音で話します。
仙台弁独特の単語も沢山あります。それよりも特徴的なことは全ての発音が濁ることです。東北は寒いので口を大きく開けないで話すのです。
ですから私は癖で口を大きく開けないで話すのです。そうすると妻は時々、「もう一度はっきり言って」と言います。
懐かしいので仙台弁を調べていたら「仙台弁 まとめ」という資料を見つけました。https://wondertrip.jp/1081478/ です。
懐かしいので仙台弁と意味と使い方を幾つかご紹介します。消えゆく方言の記録です。(ちなみに全国の消えゆく方言の記録は、「危機的な状況にある言語・方言の実態 に関する調査研究事業 報告書 」のようにあります。)
定番の仙台弁1:いぎなり
「いぎなり」は分かる人も多いのではないでしょうか。その意味は「急に」です。他の言葉では「いきなり」なのでしょうが、仙台弁は濁音が入ることから「いぎなり」になるのでしょう。
【仙台弁】いぎなり
【標準語】急に
定番の仙台弁2:したっけ
「したっけ」という言葉を聞くと、「〇〇したっけ?」という疑問形に変換する人がいますが、仙台弁では違う意味を持っています。
【仙台弁】したっけ
【標準語】そうしたら
定番の仙台弁3:〜すぺ?
「~すぺ?」は言葉だけを見ると、「~しようよ」という意味に聞こえるかもしれません。しかし、仙台弁の「~すべ」は異なります。響きがかわいらしく、使ってみたくなりそうです。
【仙台弁】すぺ?
【標準語】~でしょう?
定番の仙台弁4:ほっつぎあるぐ
「ほっつぎあるぐ」は濁音で悩まされがちですが、「ほっつきあるく」で考えると意味が分かるのではないでしょうか。
【仙台弁】ほっつぎあるぐ
【標準語】うろつく
定番の仙台弁5:ひまだれこぐ
「ひまだれこぐ」は「暇」という意味に思えるかもしれませんが、「時間を無駄にする」という意味になります。
【仙台弁】ひまだれこぐ
【標準語】時間を無駄にする
定番の仙台弁6:ぼっこら
「ぼっこら」は、その響きから「ビックリ」などを予想する人もいますが「突然」という意味になります。地域によっては「ぼっこら」ではなく「しょっこら」と言うようです。
【仙台弁】ぼっこら
【標準語】突然
定番の仙台弁7:はらぴり
「はらびり」は食事中には見たくない言葉を意味します。
【仙台弁】はらぴり
【標準語】下痢
定番の仙台弁8:どっちゃ
「どっちゃ」をゆっくり、1文字ずつ発音すると意味が分かるはず。方言だとかまえて考えると理解しにくくなりますが、共通語を崩したものが多い場合もあります。
【仙台弁】どっちゃ
【標準語】どちらへ
定番の仙台弁9:しゃね
「しゃね」は「知らない」という意味になります。「しらねー」「しやねー」「しゃね」のように変化していったのではないかと考える説もあります。
【仙台弁】しゃね
【標準語】知らない
定番の仙台弁10:んだべ?
仙台弁の定番と言えば「んだべ?」ではないでしょうか。
【仙台弁】んだべ?
【標準語】そうでしょ?
定番の仙台弁11:んだっちゃ
「んだっちゃ」は「そうに決まってる」という意味を持っています。かわいい言葉なので、女性に言ってほしい言葉としても有名です。
【仙台弁】んだっちゃ
【標準語】そうに決まってる
定番の仙台弁12:んだべっちゃ
「んだべっちゃ」は先述した言葉と似たようなものですが、「絶対にそうだよ」という意味になります。ただの「んだっちゃ」よりも「絶対」が入っている分、強い言葉になります。
【仙台弁】んだべっちゃ
【標準語】絶対にそうだよ
・・・・・・・・・・・・・・など沢山ありますが仙台出身の人以興味がないと思いますので止めます。
今日は消えてしまった懐かしい仙台弁をご紹介致しました。
添付の写真は戦前の仙台の風景です。写真は、「戦前の仙台の風景」を検索してインターネットからお借りしました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
1番目の写真は戦前の宮城県庁、仙台市役所界隈 です。
2番目の写真は仙台市の大通りです。( 昭和8~11年頃)
3番目の写真は大町・東一番丁角です。(昭和7~10年の間)
4番目の写真は仙台市の戦前の芭蕉の辻です。