老人になると急に自然が好きになります。別な言い方をすれば暇な老人のお相手をしてくれるのは自然だけになってしまうのです。
ある時期までは孫達が相手になってくれますが、彼らが中学、高校と大きくなるともう駄目です。部活が忙しくなり、家にも居なくなります。
淋しいと言えばその通りですが、孫達の面倒を見る仕事を終了した達成感が心を豊かにしてくれます。
そんな他愛もないことを考えながら今日もまた山に登って来ました。
今日は裏高尾の旧甲州街道を車で上がれる場所まで行き、そこから小仏峠への山道を登りました。40分かかって標高570mの小仏峠の頂上に出ました。
今日は元気な家内も一緒だったので、彼女が、そこから標高670mの城山頂上まで900mしか無いのだから登ろうと言い出します。
900mはたいした距離ではありませんが標高差が100mあるのです。どうせ途中で止めるだろうと思いましたが登りはじめました。
300m位登った時に急に視界が開け、展望台があります。そこから相模湖が見えるのです。これには驚きました。
相模湖は低い谷の底にあるので、高尾山頂上、城山頂上、小仏峠、景信山頂上から見えないのです。ところが小仏と城山の間の尾根からよく見えるのです。満足しました。
それから又300m位登ったところから急な登りになります。城山頂上まではあと300mだけですが標高差はまだ50mはありそうです。家内も今日はここまでと言っているので引き返しました。
それにしても山道の周囲の樹林の神秘的な美しさに圧倒されます。
大きな樹木一本一本に霊が宿っている様子です。
風が吹いて木々が揺れるとその風音が樹木同士の話し声のように聞こえます。
心地よい声です。
そしてそれに唱和するようにウグイスが啼いています。いろいろな啼き方で唱和しているのです。
この山の中の森に囲まれていると大きな安堵感に包まれるのです。
ああ、自然って良いのもだなあと感じ入ります。そしてより一層、自然が好きになるのです。これが老境の良さというものでしょうか?
下にそんな風景写真をお送りいたします。
駐車場から小仏峠への登り道は上の写真のような鬱蒼とした森の中の道です。
山道を歩く小生の姿です。家内が振り返って撮った写真です。
始めは広いなだらかな登山道ですが、次第に上の写真のように細くなり、険しい小道になります。それが登山というものです。
小仏峠は十字路です。山下の小仏宿と相模湖側の小原宿を結ぶ甲州街道と高尾山と陣馬山を結ぶ尾根道が交差しています。
今日は右の方向の小仏城山への山道を登りました。
300m位登った尾根筋で急に視界が開け相模湖が見えたのです。これは嬉しい驚きでした。しかしそこから更に300m登った所で今日は挫折しました。
捲土重来、またの機会に城山頂上まで登ります。
車の駐車場の下に見事な山桐の大木が2本あり、花が咲いていました。上品な淡い紫色が夢幻の美を感じさせます。上の写真は逆光なのでその色が写っていません。ご想像頂ければ嬉しくおもいます。
今日の無駄な時間のつぶし方のお話でした。失礼しました。(終わり)