後藤和弘のブログ

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中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

最っとも安らかな旅立ち

2009年04月27日 | 日記・エッセイ・コラム

年々歳々、春になれば、花は同じように咲く。だが、親しかった人は少しずつ彼岸へ旅立って行く。自分の旅立ちかたが思われる。

昨日、仙台で伯母の夫の通夜と葬式があった。生前に、「自宅で眠っている間に彼岸へ行きたい」と話していたそうだ。数日前にその通りの旅立ち方をした。

知的障害者を保護する公立施設で長い間働いて来た。いつもニコニコ、根気よく児童の話相手をしていたらしい。少年の頃、叔父さんの家へよく遊びに行った。いつもこちらの話を聞いてくれるが自分の意見は言わない。なにか温かい励ましを受けたような気分で帰って来た。

宮沢賢治の手帳の最後の部分にこう書いてある、「・・・ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ」。そして続くページには、5人の菩薩の名にはさまれて、 南無妙法蓮華経という7字が大きく書いてある。

家でも職場でも、「ホメラレモセズ クニモサレズ」というような人柄の人だった。自宅で眠っている間に静かに独り旅立って行った。最っとも安らかな旅立ちだったに違いない。

近親者だけの極く質素な通夜とお葬式に来てくれた僧侶は、仙台の大年寺の住職だった。故人が生前に墓地を購入していたお寺である。この宗派は江戸時代の始め頃、中国からきた隠元禅師によってはじめられた宗派で現在でも中国式の儀式・作法を守る珍しい宗派である。

唐の時代の発音で読む「南無妙法蓮華経・・・・・」の声に送られながらこの世を離れて行く。そのような通夜とお葬式でした。

誰でもが安らかな旅立ちを願っていると思う。日頃からそれを祈っているとそうなるのかも知れない。皆様はどのような旅立ちを想っていらっしゃるでしょうか?(終わり)

今日も皆様のご健康と心の平安をお祈りいたします   藤山杜人


2 コメント

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こんにちは。 (パック)
2009-04-29 09:56:56
こんにちは。

肉体を去ることがつらいのは、簡単に死ぬことを望まないようにする、神の計らいだと思います。
自分のすべきことをすべて果たした人は、安らかな死を迎えられるのかも知れません。

宮沢賢治はすべての人に頭を下げる、常不軽菩薩の心そのものの人だったように思います。
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パックさん (藤山杜人)
2009-04-29 18:52:36
パックさん

コメント有難うございます。
宮沢賢治は本物の仏教徒でしたね。
文学作品だけでなく信仰の厚さも称賛すべきと思います。

有難う御座いました。

敬具、   藤山杜人
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