日本のカトリック教会では、活動修道会と観想修道会を含めて、約50の男子修道院と約100の女子修道会がさまざまな分野で活躍しています。北海道のトラピスト修道院もその一つです。
フランスの戒律の厳しいことで有名な厳律シトー派の流れを汲むトラピスト派の数人の修道士が1896年、明治29年に津軽海峡を見降ろす丘の上に来ました。石ころの多い熊笹の原野や深い森を切り開いて乳牛の放牧場を作り、レンガ造りの建物を建設したのです。
場所は函館の西、30Kmほどの所にある渡島当別駅のそばです。不便な所なので観光客の少ない深閑とした林の中に修道院本館と大きな牛舎が高い塀の中に見えます。その外は一面に牧草が生えた放牧場です。2012年の4日間に4回も訪問しました。周囲の景観が素晴らしかったのです。
この修道院はローマ法王傘下のカトリック組織の一部ですが、戒律が厳しい事で有名です。修道士は一生の間、修道院敷地から出ません。早朝から夜まで、祈りと牧畜の労働だけで過ごします。
生産される乳製品の一部を外部へ売り、衣服や光熱費をねん出します。その製品はトラピスト・バターやトラピスト・クッキーとして現在でこそ有名ですが、昔は苦しい生活が続いたそうです。現在の修道士は外国人も居ますが、殆ど日本人男性です。
修道院の見学は女性禁止で、男子のみ往復ハガキで申請すれば可能です。
何故か北海道の生活を象徴しているようなので写真と共にご紹介いたします。
1番目の写真はは修道院の牧草地から見降ろした津軽海峡です。
2番目の写真はトラピスト修道院の正面入り口です。ここまでは坂を登って一般の人も行けます。小さなレンガ造りの建物が開放されていて修道院の歴史や厳しい牧畜の様子の写真が展示してあります。
3番目の写真は修道院の本館です。
木々のかげになってあまりはっきり見えません。そこで500m位離れた場所からズームで撮った写真です。
4番目の写真は修道院の高い塀に沿って裏の方へ回った所にある古い木造の牛舎です。
大きな扉を開くと乳牛が外に広がる牧草地へそのまま出て行けるような配置になっています。
下に修道院周辺の風景写真を示したます。
5番目の写真は修道院の下の広い駐車場です。以前に4回駐車した懐かしい場所です。
今日は北海道のトラピスト修道院をご紹介致しました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)