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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「インドネシアの歴史と文化(3)写真で見るトラジャ族の独特な文化」

2021年05月01日 | 日記・エッセイ・コラム
トラジャ族はインドネシアの北部の大きな島であるスラウェシ島の山岳地帯に住んでいる少数民族です。非常に変わった独特の文化を持っています。
トンコナンという名の尖った巨大な舟の形をした屋根の伝統的な家に住んでいます。この民族のお葬式は盛大な社会的行事であり、墓も独特な岩壁の洞窟です。葬儀は、通常規模でも数百人の参列者が出席し数日間続きます。
社会は貴族と一般人と奴隷の3つの階級に分かれています。
今日はトラジャ族の独特な文化を写真で簡単にご紹介いたします。出典は、wikipedia.の「トラジャ族」とその他の資料です。

1番目の写真はトラジャ族の少女達です。トラジャ族の社会では家族が重視される一方性別、年齢別の集団も重要なのです。少女達の楽しそうな表情がこの少数民族の幸せな暮らしを示しています。

2番目の写真はトンコナンという巨大な舟の形をした家です。トラジャ族は昔北ベトナムと南中国に挟まれたトンキン湾沿岸から船で渡ってきました。それで家が船の形をしているのです。

3番目の写真は家の外壁の精巧な木彫り装飾です。トンコナン建設には血縁集団が集まって建てる大規模な作業となります。そして通常の貴族が住む家はトンコナン・バトゥ(tongkonan batu)と呼ばれます。一般人階級の中でも村を出て働いた蓄財で大きなトンコナンを建てる例が増えているそうです。

4番目の写真はお葬式に参列する人々です。通常規模でも数百人の参列者が出席します。お葬式に出る人々は水牛や豚を持参し、受付では参列者が持参したものが詳しく書き留められていきます。持参した水牛の体の大きさ、角の大きさ、尻尾の長さに従って参列者へきちんとお返しが行きます。

5番目の写真は盛大なお葬式の光景です。お葬式では、故人が生前に行った良いことだけが歌われる「マバドン」という踊り、年長の女性たちが長い羽根飾りをつけた衣装を着て踊る「マカティア」という踊り、闘鶏や闘牛といった極めてユニークで華やかな催し物が続きます。

6番目の写真は洞窟のミイラの安置所、すなはちお墓です。死を象徴する木像「タウタウ」(tau tau)がテラスに置かれ外界を遠望しています。トラジャ族の宗教はアルクトドロ教と定義されるトラジャ族固有の宗教です。多神教アニミズムに分類されます。彼らの祖先は上界から創造神プアン・マトゥア(Puang Matua)の神託を受け、階段を下って大地に現れたというものです。

7番目の写真はトラジャ族の木彫り細工です。水牛をモチーフとするパネルです。これは富を象徴し、家族がたくさんの水牛を持てるよう願いを込めているのです。トラジャ族は規則正しさと秩序立った構成、そして抽象的で幾何学模様の木彫り細工が得意なのです。

日本ではトラジャ族はトラジャ・コーヒーで有名です。17世紀末に栽培が始まり、オランダ王室で御用達のコーヒーでした。優しい苦味で独特で芳醇な香りや豊かな甘みが特徴のコーヒーです。今日は話が長くなるのでトラジャ・コーヒーの話は割愛します。

このように少数民族の話を書いていると何故か心が豊かになります。彼等の心の豊さが私の心に乗り移ってくるからでしょう。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)