人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

蝦夷梅雨

2006年06月11日 | 今日の雑感雑記

Photo_81

Photo_80

 昨日は北海道立函館美術館でシルクロード展を見てきた。展示品は、ウズベキスタンの 博物館から借りてきた中世から近世にかけての衣類・陶器・工芸品など。中でも王侯貴族 が着ていた金糸の衣類には、感心・感激・呆れる・驚く、何という贅沢、こんなもの着てい たらさぞや肩がこるだろうなと、貧乏人らしい感想を持ちました。

 帰りに隣の五稜郭公園に寄ったら、霧雨の中ツツジとサガリフジが今を盛りと咲き誇っ ていた。この時期から北海道南西部は蝦夷梅雨となり、函館山も連日上半分が雲の中 だ。梅雨に代表されるモンスーン気候は、インド洋とヒマラヤ山脈がもたらすものでこれよ り西には無い。

 シルクロード展で見た布類や陶器には、草木と花の図柄が多かった。乾燥地帯に暮ら す住人の憧れを示すものだろう。彼らにとっては金糸銀糸の綾錦も、水と緑と花に溢れる この光景の前には色あせて見えるのではないだろうか。人間は無い物ねだりをするのが 本能、誰の言葉か忘れたが「もしもこの世が全て金で出来ていたなら、人々は一握の土くれ を求めて争うだろう」