デジカメの撮像素子(CCD)は、紫外線から赤外線領域までの広い範囲に感度特性を持っています。
そこで今回は、PENTAXのデジイチで赤外線写真にトライしてみました。
使用した赤外線透過フイルターは、FUJIFUILMのIR90です。カメラ屋で¥997円で売っていました。
これを手に持って、レンズの前を塞ぐだけで赤外線写真です。
ただし一部メーカーのデジカメには、赤外線カットフイルターが内蔵されているものも有るらしく
この場合はダメです。メーカーに問い合わせてみて下さい。
IR90は、可視光線領域を完全にカットしてしまうため、見た目には真っ黒です。
赤外線写真の注意点は、焦点位置が可視光と大幅にズレてしまうことです。
IR90を使用した場合、PENTAXのMレンズでは無限大の合焦点位置がここまでズレてしまいます。
これは何枚かテスト撮影して決めるしか手は有りません。また極端に露光量が減少するため
三脚とレリーズが必要です。
赤外線写真の場合は、適正露光にあまり拘る必要が無く、モニターで確認しながら
何枚か撮ればOKです。多少はPCで修正が可能です。
可視光線で見た石狩湾と札幌市北部です。
赤外線領域で撮ったオリジナル画像です。これでは気持ち悪いので白黒画像に変換します。
水は赤外線を吸収してしまうため、石狩川の蛇行跡がクッキリと浮かび上がってきました。
雲の形が異なるのは、撮った時間帯がちがうためです。
可視光線で撮った定山渓天狗岳・無意根山・羊蹄山です。
同じく赤外線のオリジナル画像です。
まるで雪山の様ですが、樹木の葉緑素は赤外線を強く反射するためです。
羊蹄山の部分を拡大してみました。
可視光では潰れてしまっていた山腹のヒダヒダが写っています。
赤外線は空気中のチリなどに散乱されることなく、透過性が良いためです。
赤外線は波長が長いためか、画像のシャープさに欠けます。
次回はもう少し短い波長まで透過する IR76~80程度のフイルターで試してみます。