播磨灘物語〈1〉講談社このアイテムの詳細を見る |
黒田官兵衛
戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった
【読んだ理由】
「世に棲む日日」に続いての司馬遼太郎作品。
【印象に残った一行】
『官兵衛が思うに、武士の悲しみというのは合戦のつど妻子と死別を覚悟せねばならぬことではなく、つねに旗幟をあきらかにせねばならぬというところにある。旗幟をあきらかにするというのは、得体の知れぬ未来にむかって自己と主家の運命を賭博に投ずることなのである。』