播磨灘物語〈2〉講談社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
黒田官兵衛
は信長に新時代が出現しつつあるというまぶしさを感じていた。「だからこそ織田家をえらんだ」のだ。信長に拝謁した官兵衛は、「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ秀吉に会う。秀吉は官兵衛の才を認め、官兵衛も「この男のために何かせねばなるまい」と感じた。ふたりの濃密な関係が始まった。
【読んだ理由】
「世に棲む日日」に続いての司馬遼太郎作品。
【印象に残った一行】
『さらに官兵衛のために言葉を費やせば、天下構想にいたるまで大小の芸を自分は生涯をかけてしてみたいだけであり、それが自分の目的である。そのあげくのはてに天下が自分の足もとにころがりくんでくれば拾ってもよく、無論ころがりこんで来なくてもともとであり、自分の人生はそれなりに充足している、元来、天下の主なれるというのは天の意思としか言いようのない無数の条件の積み重なりがなければならないが、その天の意志までは自分は足掻いてもとめようとはしない。というところであろう。』