竜馬がゆく〈6〉文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
■出版社/著者からの内容紹介■
相次ぐ抗争で多くの志士の血が流れたが、竜馬の奔走によって大政奉還が実現、日本は救われる。
維新政策には竜馬の精神が生きていた
■内容(「BOOK」データベースより)■
幕府を倒すには薩摩と長州が力を合せれば可能であろう。
しかし互いに憎悪しあっているこの両藩が手を組むとは誰も考えなかった。
奇蹟を、一人の浪人が現出した。
竜馬の決死の奔走によって、慶応二年一月、幕府の厳重な監視下にある京で、密かに薩長の軍事同盟は成った。
維新への道はこの時、大きく未来に開かれたのである。
【読んだ理由】
司馬遼太郎作品・知人に奨められて。
【印象に残った一行】
『一方、竜馬は別のことを考えていた。
新婚旅行
である。この男は、勝からもそういう西洋風俗があるのをきいている。いっそのこと、風雲をそとに、鹿児島、霧島、高千穂と、おりょうを連れて新婚旅行にまわるのも一興ではないか。
そうきめた。
早速、おりょうを呼び、そのことを宣言した。なあ、おりょうよ、竜馬はくすぐったそうにいうのである。
「縁結びの物見遊山だぜ」
この風俗の日本での皮切りは、この男であったといっていい。』
『人間とはなんと奇怪で物欲し屋で、あくことのない幸福への空腹感をもちつづけている動物であろう。』
『「天皇のもと万民一階級」
というのが、竜馬の革命思想であった。
「アメリカでは大統領が世襲ではない」ということがかっての竜馬を仰天させ、
「その大統領が下女の暮らしを心配し、下女の暮らしをらくにさせぬ大統領は次の選挙で落とされる」
とう海外のはなしが、竜馬の心に徳川幕府顚覆の火を点ぜしめた。
そこは土佐藩士である。
土佐郷士は、二百数十年、藩主山内家が遠州掛川からつれてきた上士階級に抑圧され、蔑視され。切り捨て御免で殺されたりしてきた。
その郷士たちの血気の者は国をとびだし、倒幕運動に参加しつつある。天下一階級という平等への強烈なあこがれが、かれらのエネルギーであった。
その土佐の郷士の先頭に立つのが、竜馬である。』
【コメント】
読みやすく、読み出したら止められない面白さ。