![]() | 天使と悪魔のあいだ〈上〉―さようならそしてこんにちは『片翼だけの天使』 角川文庫 |
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角川書店 |
【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
韓国生まれの妻との国際結婚生活で生じた、不倫と孤独。
韓国生まれの元ソープ嬢・景子との結婚生活が破綻し始めた
。20年も日本に暮らしながら景子は、いまだにホームシックに悩み、そして不倫へと走っていった。
国際結婚の難しさと、女のわがままと、男の甲斐性とは。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
小説家・越路玄一郎と、韓国生まれの元ソープ嬢の妻・景子は、結婚生活20年目を迎え、さまざまな悩みを抱えていた。
景子は、いつまでたっても、日本には自分の落ち着ける居場所が無いと悩んでいる。
越路は、散財を続ける景子のため、借金を繰り返すはめになっていた。
やがて景子は韓国人ホストを追いかけて、家を飛び出してしまう。
その後許しを請うて、越路の元に戻ってくるが、今度は自分の居場所となる店を持ちたいと言い出した。
そして景子と料理人はただならぬ関係となり―。
妻の不倫を前にして、男のプライドとは…。「片翼だけの天使」シリーズ完結編。
【読んだ理由】
蕎麦屋のママさんに勧められて。
【印象に残った一行】
しかし、六十になった今となっては、そういう気力がない、結婚するより別れる方が、どんなに大変か経験しているだけに、あんな大変な思いはしたくない。
それに、この年になってわかったことだが女はみんな同じである。女はそれぞれに自分の主観によるルールを持っていて、絶対にゆずろうとしない。ゆずったように見せかけても、正義は自分の方にあると思っている。
若い男はそこのところを錯覚し、女性が自分の思いどおりになると思っているが、実は長い目でみると、女の思いどおりになってしまう。
また、女の思いどおりにならないと、家庭は成立しない。家庭とは女がその分身である子供と形成するもので、男はその手助けをするに過ぎない。
そして、子供ができてしまえば、女の本能は満足されて子育てに集中する、さらに、子供が成長すれば、女と子供は家族となり、男は家族というものの距離のある存在になる。
極端なことを言えば、女は子供を得、自分の家族をつくるために結婚するとも言える。
その意味で女は強く、エゴイスティックである。
女性は他人が非常識なことをしていると、非難するが、自分が非常識なことをしていることに気づかない。
男も非常識なことをやるが、たいていは自分が非常識だと気づいているものなのである。
だから、うしろめたさを感じつつ、非常識なことをやる。
しかし、女性は後ろめたさを感じない。
【コメント】
ひょんなことから読み始めたが、著者の女性観が鋭く、的を得ており納得させられること多である。
世の男性諸氏にお奨めする。
男どもよ、女とは、天使でなく悪魔であるのだ。
こうなったら片翼シリーズを全十冊を読破しよう。

