![]() | 炎情―熟年離婚と性 |
クリエーター情報なし | |
中央公論新社 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
すれ違う欲望、キレツする心と身体、決断する女たち。語られなかった女性の反乱。『快楽』の著者が描く“熟年離婚”驚愕の真実。
【読んだ理由】
工藤美代子作品
【印象に残った一行】
つまり、熟年離婚が、あまりポシティヴには捉えられなかった時代が長い間、続いていた。それは当然だ。これからは歳をとる一方で、体力は衰え、経済的な基盤が脆弱になるのは明白だ。そんなときこそ、夫婦で穏やかな晩年を迎えるのが正しい老後の過ごし方だという既成概念が社会にはあった。
それに、あえて反旗を翻して、熟年離婚を決行した夫婦の本音を私は知りたかった。また、今の時期になって、なぜ、これほど自分の知人や友人の間で熟年離婚が増えたのかも不思議だった。
まず、考えられるのは、人間の寿命が毎年のように延びていることである。かっては人生五十年といったものが、現代では八十歳以上まで生きるのが当たり前になっている。すると、六十歳で定年を迎えても、まだ二十年以上の歳月を確実に生きるわけである。
問題はこの二十年から三十年の時間にある。歳をとったからといって、人間は急に何もかもに達観し、浮世のあらゆる欲望から自由になるわけではない。むしろ、自分の持ち時間が少なくなってゆくことを悟っているこそ、この世に執着する側面もある。だとすると、残りの人生を大切にしたいという願いを最優先させる行動は、さほど不自然ではない。
【コメント】
人生いろいろ、夫婦もいろいろ、ということか。
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