阿蘇の料理「高菜めし」

阿蘇の厳しい寒さに耐えて育つ「阿蘇高菜」には、平地の高菜にはない独特の辛みと歯ごたえがあります。
収穫は春の風物詩で、太い茎を、機械を使わず一本一本手で折る「高菜折り」と呼ばれる方法が受け継がれてきました。
郷土料理「高菜めし」は、阿蘇高菜の古漬けを細かく刻んで炒め、白ごはんと混ぜて作られます。阿蘇の大自然と人々の手作業によって生まれる素朴であたたかな春の味わいは、訪れる多くの人々にも愛されています。
火の国の祈り「火口信仰」

自然に対して畏敬の念を抱いていた人々は、火山活動による黒煙を蛇や龍にたとえ、火口より天に昇ると考えていました。
火山は神の宿る山であり、その異変は飢餓疫病など天下の凶兆とみなされて大宰府から朝廷へ知らされたといいます。
阿蘇火山の中岳火口は「神霊池」と呼ばれ、古くから信仰の対象とされてきました。
ふもとの阿蘇神社は火の山の神・健磐龍命(タケイワタツノミコト)を祀り、今も火口への祈りを繰り返しています。
コンセプト
「明日の遺産」九州
かって九州には、九つの国があったといわれています。
古代、日本の中心であったといわれる場所。
いまも、昔も、つねに異国と接しながら
自らの文化を築いてきた場所、それが九州です。
それぞれの文化の中に強い個性があります。
歴史 自然 食 伝統芸能 祭り 思想 信仰・・・・
その個性豊かなたくさんの文化は、どんなに時が過ぎても
人々の心を揺さぶるはずです。
遠い昔から、私たちに贈られてきた大切なものを、
おなじように次の世代へ伝えていきたい。
永遠に守りたい、そんな大切なものを紹介していくのが
Nippon Archives「明日の遺産九州」なのです。