【原文】
子見南子、子路不説、夫子矢之曰、予所否者、天厭之、天厭之、
【読み下し】
子、南子を見る。子路説(よろこ)ばず。夫子(ふうし)これに矢(ちか)って曰わく、予(わ)が否(すまじ)き所の者は、天これを厭(た)たん。天これを厭たん。
【通釈】
先生が南子にあらわれた。子路はおもしろくなかった。先生は誓いをされて「自らによくないことがあれば、天が見捨てるであろう、天が見捨てるであろう。」
南子=衛の霊公の夫人。不品行の評判が高かったので、子路はこの会見に不機嫌であった。
【English】
The Master having visited Nan-tsze, Tsze-lu was displeased, on which the Master swore, saying, "Wherein I have done improperly, may Heaven reject me, may Heaven reject me!"
『論語』とは、読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。