阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

昭和50年代の海外あちこち記   その28  中国/大連篇その二

2023年08月18日 | 昭和50年代の海外あちこち記

1)大連駅を降りると駅前は大きな放射線状のロータリーになっていました。

他の中国の都市の道路は碁盤の目の設計ですが、この都会は1899年にロシア人によって完成したため、ヨーロッパ式の町作りになっているそうです。

ロシアの後は日本が戦前まで統治していましたから沢山の日本人が住んでいました。

  現在市内人口177万人という大都会です。出張で行った20年前はまだ町全体が暖房用の石炭の煤のせいか、くすんで見えました。

大連港には旧式の港湾クレーンが林立していましたが、大型外航船の数は少なく神戸港やシンガポール港を見た目で見ると寂しい限りです。

旅客船埠頭に立ち、ここと日本の間をどれだけ多くの人達が船で往来したのかと思いながらしばらく立ち尽くしました。

 入札に備えての事前調査で大連機械公司を訪問した訳ですが、沢山の製缶工場や機械工場がある大きな会社でした。

 

2)余談ながら、大連に滞在している時は頭に浮かびませんでしたが、満州からソ連の参戦で脱出した家族の中に新田次郎の家族がいます。

藤原てい作『流れる星は生きている』という本があります。戦後すぐのベストセラー小説です。

夫がソ連の収容所に連行され、27歳の作者は子供三人を連れて満州から脱出せねばならない。

正広六歳、正彦三歳、咲子は生後まだ一ヶ月である――昭和20年8月9日のソ連参戦の夜から昭和21年9月に日本にたどり着くまでの一年におよぶ記録です

作者の夫は「強力伝」「八甲田山死の彷徨」「アラスカ物語」などを書いた新田次郎ですが、この本が出た当時は彼は気象庁勤務の一介の技官でした。

  たまたま藤原ていさんが諏訪二葉女学校で母の数年後輩であり、母はていさんの姉と同級で寄宿舎も一緒だったというご縁で、この本が家にあり阿智胡地亭は小学生時代に読みました。

昼間は隠れ、夜間だけ歩きに歩いてプサンを目指して移動。毎晩泣く子をしかりつけ、子供の足裏に食い込んだ小石や砂を指でほじくり出すのが日課だった。

沢山の引き上げ日本人が経験した極限状態の逃避行の記録です。

 新田次郎は同じく諏訪の角間新田地区の出身で、角間新田は僕の父の実家から上の方にあり、角間新田の新田をペンネームにしたと聞きました。

新田次郎は気象庁ではノンキャリアであったことと、奥さんが先に世に出たこともバネにして、官舎で夜こつこつと小説家を目指して習作に励んだと知り合いから聞きました。

 「若き数学者のアメリカ」を書き、 『心は孤独な数学者』などの作者で、最近はエッセイも多い藤原正彦は引き上げ当時3才だった2人の次男です。

また、乳飲み子で背負われて日本に辿り着いた藤原咲子さんが最近「父への恋文」という本を上梓したようです。

  中国、台湾、韓国など乗りこまれた方と乗り込んだ方、いい目にあった方とエライ目にあった方、

一瞬にして攻守ところを変えられて翻弄された一軒一軒のそれぞれの国のそれぞれの家族の歴史。町の歴史。

いつもそんなことを思って出張するわけでは毛頭ありませんが、アジアの国の町で出張の中の休日に町を一人で歩くと、

パリやロンドン、ソルトレイクシテイなどを歩くのとは違う思いが時にはします。

特に大連には旧大和ホテル、満鉄大連本社、その社員の宿舎群、アカシア並木等が残っており、

おいしい肉饅頭をほおばりつつ、当地にご縁のある自分の何人かの知り合いの方のことを思い出しながら歩きました。

 (2003年ごろ記憶をもとに記す。)

 トップの画像はこのサイトから引用。他の画像はネットから引用。

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08月17日に目に留まったSNS・メディアの記事

2023年08月18日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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東日本大震災が起こった後、ブログ「阿智胡地亭の非日乗」が掲載したエントリーから          [ 2011年07月17日(日)のブログ ]

2023年08月18日 | 東日本大震災ブログ
2011年07月17日(日)
一社90億円の罰金は過去最高! 90億円利益だそうと思ったらどんなに大変か

☆アメリカの圧力が強くなって、ここ数年、独占禁止法の適用が厳しくなった。その中でアメリカと同じように「課徴金減免制度」というのが出来た。

内容を一口で言うと、談合のメンバーをやっていても、一番最初に、「申し上げます。おそれながら、このメンツで談合やってまんねん」と

証拠を揃えてお上にチクった会社は無罪にするということだ。

こういう考え方は日本人の法意識にはなじめないが、英米法では普通の考え方だ。(国民のために、いい結果が出るのであれば、手段方法を現実的に使うのが法律だ。)

それにしても90億円をモロに国庫に罰金として会社が支払う、と知った矢崎総業の現場社員の気持ちはどうだろう。

コストダウンの為にサービス残業やTQC活動で頑張てきた工場の現場。会社は何をやってくれるんや・・

90億円の利益を5%の利益率で出そうとすると、1800億円を売上げないといけない。

同業者に仲間割れを起こし、かつ談合はペイしないと企業に思わせるのが、最近の公取のやり方らしい。☆

矢崎総業に過去最高額の課徴金 自動車配線談合で公取委
2011/06/30 21:01 【共同通信】

  自動車内に配線するワイヤハーネスという電線の販売をめぐり談合していたとして、公正取引委員会が独禁法違反(不当な取引制限)で、

矢崎総業(東京)など業界大手3社に総額約130億円の課徴金納付を命じる方針を固め、各社に事前通知したことが30日、分かった。

矢崎総業の課徴金は90億円を超え、1社に対しての命令額として過去最高となる見通し。

 他に納付命令を受けるのは住友電気工業(大阪市)とフジクラ(東京)。古河電気工業(同)も談合に加わったと認定されたが、

課徴金減免制度を利用し違反を自主申告したため、納付命令を免れるとみられる。

 
 
兵庫県会議員の副業?収入額一覧表

兵庫県会議員のうち25人の議員が議員報酬以外の収入を得ている。

  【氏名】      【選挙区】 【当選回数】  【議員以外の役職】     
【所得総額】    

(01)加藤 修    神戸市東灘区  3回   本家かまどやプランニング顧問  1605万円

(02)小池 啓納   神戸市中央区  2回   芦屋大学客員教授       1194万円

(03)梶谷 忠修   神戸市北区    3回  三田学園理事          1165万円

(04)大塚 崇弘   神戸市須磨区   1回  神戸リボン代表取締役    1180万円

(05)和田 有一朗  神戸市垂水区   2回  アクトコ-ポレーション社員  1277万円

(06)水田 宏     姫路市       6回        ー           3311万円

(07)北野 実     姫路市       1回  北野産業・北野運輸 社長  1916万円

(08)吉本 誠     尼崎市       2回  関西学院大学非常勤講師   1182万円

(09)松本 隆弘    明石市      2回  フルリール顧問          1276万円

(10)岸口 実     明石市       2回  テクノスポーツ取締役      1243万円

(11)八尾田 勝    洲本市      3回  県鮎屋川土地改良区理事長  1283万円

(12)谷口 隆司    相生市      2回  谷口回漕部取締役        1055万円

(13)小林 喜文    豊岡市      3回  ユーエスメイト代表取締役会長 1545万円

(14)釜谷 研造    加古川市              5回 釜谷紙業監査役・釜谷商事社長・睦学園理事・評議員 エスケー取締役  1862万円

(15)山口 信行    たつの市           5回  山陽代表取締役・山陽総業代表取締役・キンキサイン顧問 1541万円

(16)山本 敏信    高砂市   4回 高砂福祉会養護老人ホーム高砂荘理事 1599万円

(17)西野 将俊    高砂市   2回 中村重機商事顧問            1269万円

(18)野間 洋志    三田市   2回 大一コンサルタント取締役        1467万円

(19)小田 毅     加西市   3回  小田製作所役員             1522万円

(20)小西 隆紀    篠山市   1回  小西のパン役員             1983万円

(21)石川 憲幸    丹波市   3回  イシカワ取締役             1768万円 

(22)内藤 兵衛    多可郡   1回  明成工業代表取締役          1243万円

(23)永富 正彦    加古郡   3回  日本毛織嘱託・ニッケ不動産嘱託  1659万円

(24)宗行 恭義    飾磨郡   1回  夢前取締役               1590万円

(25)石堂 則本    佐用郡   3回  県森林組合連合代表理事会長    1325万円

本情報の出所はこちら

☆兵庫県議会のHPによると県会議員の報酬は:

 兵庫県では、「議会の議員の議員報酬及び実費弁償等に関する条例」で、兵庫県議会議員の議員報酬が次のように定められています。

 【議員報酬】(月額) (平成23年4月1日現在)
   ○  月 額 837,000円 ※1 
   ○ 役職加算 ・議 長 157,500円 ※2、 副議長 82,500円 ※2  
           ・委員長 25,000円、  副委員長 20,000円
    ※ 数字は減額措置(H20.4~)適用後の額(※1=10%減、※2=25%減)
   
 【期末手当】
  ○ 6月30日支給    1,887,900円
  ○ 12月10日支給   2,090,175円
 ※ 数字は在職期間が6ヶ月を満たしている場合の額

大阪府議会は最近、議員報酬が一般府民の収入に比べあまりにも高すぎるとして30%削減しました。兵庫県の県会議員さんは、議員さんどうしで話し合い、

「大阪府の府議員さんよりはるかに自分らは仕事をしているので、10%の削減でいい」ということになり??、上記の金額になっています。

にしても、知らなかったけれど、兵庫県会議員さんというのは収入からみると特権階級に近いですね。どんな素晴らしい方々が県民の為に働いてくれているのか、

お顔を拝見に近々議会を傍聴に行こうと思います。

 
 
連続運転していた関電・大飯原発1号機が手動停止

大飯原発1号機が手動停止へ 関電、最終検査申請見送り

2011年7月16日 23時41分 東京新聞

 関西電力の大飯原発(右手前から)1号機、2号機=6月、福井県おおい町

 関西電力から16日、福井県に入った連絡によると、営業運転前の調整運転を異例の約4カ月間続ける大飯原発1号機(加圧水型軽水炉、出力117万5千キロワット、同県おおい町)で、緊急炉心冷却装置(ECCS)系統の「蓄圧タンク」の圧力が一時下がるトラブルが発生し、同社は16日に原子炉を手動で停止する。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、大飯原発1号機のトラブルに伴う環境への影響はないという。

 関電は、近く受ける方針だった営業運転再開に向けた国の最終検査の申請を、当面見合わせる。今後、関西地方の電力需給はさらに切迫する見通し。(共同)
 
 
稲わらの高濃度セシウム  河北新報の記事から
 

稲わらから高濃度セシウム 線量低いのになぜ? 専門家見解

2011年07月17日日曜日 河北新報
 

福島県内の畜産農家が利用していた稲わらから高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、わらが生産された白河市や喜多方市は、これまで空間放射線量が県内でも比較的低かった。

「安全」と思われていた地域だったが、専門家は「現在の放射線量レベルとは関係なく、汚染の危険性はあった」と指摘している。

 福島大は原発事故後、県内で放射線量の調査を続けている。同大放射線計測チームの佐藤理夫共生システム理工学類教授(51)=製造プロセス工学=が重視するのは、

原発事故によって水素爆発が起きた後の3月15、16日に地表に降った放射性セシウムの量。

佐藤教授は「3月15、16日ごろの大気中の放射線量が、現在の地表の放射性物質の濃度にほぼ比例する」と話す。

 白河市では3月15日夜、最大で1時間当たり7.70マイクロシーベルトの空間放射線量が記録された。

問題になった稲わらが当時、屋根のない地表に並べられていたり、雨水が染み込むような場所に置かれていたりした場合、「放射性物質の濃度が高くなっても不思議はない」と言う。

 7月16日には郡山市の畜産農家の稲わらから、1キログラム当たり50万ベクレルのセシウムが検出された。

佐藤教授は「3月15日以降、中通り地方の放射線量は阿武隈川流域に沿って、比較的高かった。残念ながら、これらの地域は全て注意が必要ではないか」と指摘する。

 農作物などの場合、食用部分以外も含めて放射性物質の濃度などを監視し、一定以上のレベルになった場合は適切に処理することを求めている。

 
 
米軍基地のこれからの展開  騒音問題をキーワードとして
週のはじめに考える 強化される米軍基地

2011年7月17日 東京新聞 社説

 米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)の候補地に、鹿児島県西之表市の馬毛島が最有力地として急浮上しています。基地負担は減るのでしょうか。

 FCLPは、戦闘機などの空母艦載機が飛行場に着陸すると同時に、エンジン出力を全開にして再び離陸することを繰り返す訓練のことです。
 
空母の短い飛行甲板に着艦するには欠かせない訓練とされています。

 米空母が神奈川県の横須賀基地から出港する際には、近くの厚木基地に置かれた空母艦載機がFCLPを行います。
 
出港の十日以上前から始まり、昼夜を問わず騒音をまき散らすことから周辺住民の悩みのタネになっていました。

◆消えない航空機騒音
 一九九三年、FCLPは太平洋に浮かぶ硫黄島に移されたものの、騒音問題はいまだに解消していません。

 周辺住民が国を相手取って起こした厚木基地騒音訴訟は、国に賠償を命じる判決が第三次まで確定しました。
 
第三次訴訟はFCLPが硫黄島に移転した後に起こされています。騒音被害は、FCLPに限らず、日常的に行われる飛行訓練そのものが原因であることを示しています。

 問題解決のため、日米両政府は二〇〇六年、空母艦載機五十九機を一四年までに山口県の岩国基地へ移転させることで合意しました。
 
岩国基地は滑走路の沖合移設によって騒音が減り、空母艦載機を受け入れる余地があるとの判断からです。

 馬毛島がFCLP施設の候補になったのは、岩国移転を受けたものです。
 
岩国から近く、日帰り訓練も可能なため米政府は賛成、西之表市は反対していますが、島を所有する東京の建設会社は用地提供の意思を表明しています。
 
この会社の従業員以外に島民はおらず、北沢俊美防衛相は会見で「最有力地」と踏み込みました。
 
◆岩国移転は基地強化

 岩国移転、FCLP施設の建設とも費用は全額日本持ち。米政府が不満のはずはありません。

 一件落着なのでしょうか。

 米空母艦載機の岩国移転に反対して辞職し、出直し選挙で敗れた井原勝介前岩国市長は六月下旬、来年一月の岩国市長選挙に立候補すると発表しました。
 
井原氏は会見で、艦載機移転の賛否を明らかにしませんでしたが、移転容認の現職との間で再度の対決となることが確実視されています。

 選挙の結果、岩国移転が宙に浮くことになれば、馬毛島にFCLP施設を造る意味はなくなります。
 
空母艦載機が厚木基地に残る場合、厚木基地から馬毛島までの距離は硫黄島までの距離とあまり変わりなく、施設を建設するのは税金の無駄遣いになるからです。

 岩国移転が実現したとしても、問題は残ります。日本政府は米政府の意向を受けて「高度な専門知識や技能を有する整備は、移駐後も厚木で行う」との見解を明らかにしています。
 
厚木基地を恒久化する道筋がみえてきました。

 FCLPを終えた艦載機操縦士が空母着艦資格を得るため、実際の空母で行われる深夜の飛行試験は、引き続き厚木基地から近い相模湾沖での実施が見込まれています。
 
いずれにしても厚木周辺の騒音が消えることはなさそうです。

 米軍からみれば、岩国移転が実現すると空母艦載機が使用できる基地は厚木と岩国の二カ所に増え、FCLP施設も硫黄島と馬毛島の二カ所に増えることになります。
 
日米で目指したはずの「基地負担の軽減」は、「基地機能の強化」にすり替わるのでしょうか。

 注目したいのは、長崎県にある佐世保基地の変化です。〇六年からほぼ毎年、米空母が寄港するようになりました。
 
近くに空母艦載機の訓練施設がないため、五日程度の滞在でまた出港していきますが、岩国基地が使えるとなれば話は別です。

 艦載機を岩国基地に降ろし、佐世保で長期間滞在することが可能になります。

 米政府は海軍力強化を急ぐ中国に対抗して、太平洋の空母を一隻増やし、六隻態勢としています。その一方で、空母が寄港できる海外の基地は数えるほど。
 
地元でささやかれている「佐世保の準母港化」もあながち的外れではないようです。

突っ込んだ日米論議を

 米軍が日本の安全や極東の平和に貢献していることは否定できません。日米安保条約は、その目的のために米軍が日本の基地を使用できると定めています。

 基地を提供することは、米国の言いなりになることではありません。それぞれの基地が必要な理由と使い方について、日米間の突っ込んだ議論が必要です。

 FCLP施設の候補地探しは、日本の安全保障や基地負担のあり方を問う機会でもあるのです。
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