◆存続の危機が何度も
◆深化絶やさず
神田の街中で弓を引く人を見た! 2023年5月15日掲載
稲庭うどんの店を出て秋葉原駅に向かう途中に長い歴史のある弓具店のビルがあるはずと覚えていたがやはりまだあった。
昭和50年に大阪から転勤で 神田美土代町にあった会社に勤務しだしてすぐに存在に気が付いた店だ。
店の階段の途中で「巻き藁」に向かってではあるが、弓を引いている人までいるのを見た。
学生時代弓道二段という免状をもらったのが今も嬉しい記憶で残っており、弓矢という文字が目に入るとどこでもすぐ反応する自分が面白い。
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日本武道館に「第2回 都道府県対抗弓道大会」を見に行く その1 2018年11月25日掲載
ときどき弓を引く人をみたくなる。神戸にいた時は労災病院の帰りに王子弓道場で弓をひく姿を見ることが出来たが、東京では住まいの近辺に弓道場はない。
尊敬する「井上ひさし」さんが卒業した大学の弓道部師範を友人がしているので、メールでどこか試合を見ることが出来る機会と場所を教えてほしいと問い合わせた。
返事をすぐもらった。大学はいまリーグ戦の最中だが一般人が学生の試合を見るのは難しい。11月24日に日本武道館で都道府県弓道大会がありますよと教えてもらった。
日本武道館ならまだ行ったことがないのでいいチャンスだと思いでかけた。
北の丸公園の中に入るのも初めてだ。
館内は誰でも入館できたが人は選手と関係者だけで、いい緊張感が流れていた。都道府県対抗での大会はまだ2回目というのに少し驚いた。
ああこういう姿を観たかったんだと思った。矢音も聞こえるような気がするが定かではない。的を射抜いた時の乾いたズんという音が気持ちがいい。
これは弓を引いたことがある人間には嬉しい音色だ。射場は4面拵えてあるから、同じ時間帯に4チームが立つ。
ほんの短い時間だが、的を外した土の鈍い音と射抜いた和紙の乾いた音が切れ目なく、ほぼ同時に館内に響くのは、まるで不思議な曲の調べを聴いているようだった。
私が見ているときは女子選手は誰も的を外さなかった。
予選試合は13中どうしの同中競射が3回くりかえされた。弓道にも技と長期戦に耐える体力が必要だ。
さすが選ばれた社会人主体の選手の皆さんは 射形が揃って美しい。見た目に[剛さ]が出てしまう大学弓道とは違いがあるような気がした。
皆さんの弓を引く姿をみて、ああ自分は学生時代に「臍下丹田」ということが出来ていなかったなあと突然思った。
弓を引いてきた人、武道の心得のある人には共通のものがあるような気がする。それは「気がせかない」ということだ。
間というものがあって、機が熟すまであせらないというようなことかも知れない。