阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

耐震偽装を見逃して「建築確認」したとして 愛知県に名古屋地裁から賠償命令が出た        「耐震偽装見逃し」事件の最新記事      

2022年07月08日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ
2009年02月25日(水)「阿智胡地亭の非日乗」掲載

読売新聞web版の報道によると、
「元1級建築士・姉歯秀次受刑者(51)による耐震強度偽装事件で、強度不足で建て替えられた愛知県半田市のビジネスホテル「センターワンホテル半田」(中川三郎社長)が、

建築確認をした愛知県と、コンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」(東京都)などを相手取り、ホテルの建設費や休業補償費など計約5億1600万円の支払いを求めた

訴訟の判決が24日、名古屋地裁であった。

 戸田久裁判長は「審査を担当した県建築主事は安全性を保つための注意義務を怠った」などとホテル側の主張を全面的に認め、県と総研側に計約5700万円の支払いを命じた。」

♪ブログを開始した2005年に「耐震偽装事件」が起こりました。このブログは結果として4年間、本事件を取り上げてきたことになりますが、終始「耐震偽装見逃し」事件と表記してきました。

 世間を欺く稀代の大悪人とテレビや新聞で報道され、11ヶ月の長期間、留置所に拘留された小嶋進さんの最初からの言い分、

「お役所が建築確認申請を真っ当に審査さえしてくれれば、こんなことにならなかった」が本質だと思ったからです。

小嶋進さんは既報の通り、口封じと言ってもいい長期拘留から釈放された後、「実刑ではなく猶予つきの」判決を受け控訴しています。

猶予つきの判決が出る頃には小嶋さんの利用価値は国側にはもう零に近かった。しかし彼と彼の家族の生活がこの事件で大きく狂ってしまった事実は変わりません。

 彼はお役人さまがお役人社会を守るため、お役所の職務放棄の実態から「くにたみ」の目をそらす「身代わり羊」にされたようなものですが、

彼がぶれないプリンシプル(スジを通すこと)をもって終始一貫、国と戦ってきたことが、今回の愛知県に対する賠償命令の判決につながったと思います。

日本はそれでも有り難いことにそれなりの法治国家であり、三権分立が機能していることを感じた判決でした。

 一家離散し、今はビルの清掃で口を糊していると聞く小嶋進さん、昨晩はどこかの居酒屋で一人ひそかに杯をあげたのでしょうね。

 直近の「耐震偽装見逃し」事件の記事はこちら

報道の詳細は;

<ホテル耐震偽装>勝訴の原告社長「事件乗り越え満足」
2月24日22時4分配信 毎日新聞

 姉歯秀次・元1級建築士による一連の耐震強度偽装問題では、各地の裁判所で、行政が建築確認審査で偽装を見過ごしたとして責任を追及されている。

行政側は「適法に審査した」「建築確認の項目に構造計算書の再計算は含まれない」などと反論しているが、判決はこうした行政の姿勢に疑問を投げかけた。

 耐震偽装で改修や休業を余儀なくされた愛知県大府市のホテルの運営会社(福井市)は08年8月、センターワンホテルと同様、愛知県を相手取って

約2億7000万円の損害賠償を求めて提訴。運営会社の古市恭也社長は今回の判決を「行政の責任が認められた意味は大きい」と評価する。

 マンションの明け渡しを余儀なくされた元住民らも判決に好意的だ。東京地裁で同様の訴訟を争う「グランドステージ(GS)千歳烏山」(東京都世田谷区)の

元住民で原告団長の西川智さん(38)は「非常にうれしい。建築確認の基準があいまいで、それを明確にすることが重要だ」と話す。

同じく同地裁に訴えた「GS溝の口」(川崎市)の元住民で原告の木村政和さん(45)は「これまで元1級建築士だけに責任を押しつけ、

他の関係者は責任逃れをしてきた。審査機関である自治体の過失を認定したという点で、私たちにとっても非常に明るい材料だ」と述べた。

 一方、総合経営研究所を相手取って、全国のホテル8軒と損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こしている岐阜県高山市のビジネスホテル

「カントリーホテル高山」のオーナー、垂井博美さん(71)は「行政の責任を認めた今回の判決を踏まえ、共闘を組んでいる仲間と協議し対策を考えたい」と話した。

【山田一晶、三木陽介、鈴木一生】

 ◇東京で提訴の原告「大きな意味ある」

 東京地裁で同様の訴訟を争う「(グランドステージ)GS千歳烏山」(東京都世田谷区)の元住民で原告団長の西川智さん(38)は「非常にうれしい。

建築確認の基準があいまいで、それを明確にすることが重要だ。今回の判決が東京の裁判にどのように有利に働くかは分からないが

審査する側の過失が認められたということは大きな意味がある。次の偽装を防ぐためにも良い方向に働くきっかけになると思う」と話す。

 同じく同地裁に訴えた「GS溝の口」(川崎市)の元住民で原告の木村政和さん(45)は「これまで元1級建築士の姉歯秀次受刑者だけに責任を押し付け、

他の関係者は責任逃れをしてきた。今回の判決は、審査機関である自治体の過失を認定したという点で、私たちにとって非常に明るい材料だ」と述べた。

【鈴木一生、三木陽介】

 

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