先の連休は、山へ行ったのを除きほぼ安曇野市にいましたが、空いた時間に足を伸ばして伊那市高遠で開催されている「高遠古本まつり」へ行ってきました。高遠城址の桜や高遠まんじゅうは有名ですが、他にも特徴を出そうとしている商店街の取り組みです。こじんまりとまとまっている街並みは、歩いて回るのにいい大きさで、3~4か所ほど古本の置いてある場所を回り、ニ冊買い求めました。「I Could Write a Book」の収録されているアルバムを。
KENNY DREW (ケニー・ドリュー)
PAL JOEY (RIVERSIDE 1957年録音)
「Book」(本)が題名にあるスタンダード曲には、「My Coloring Book」もありますが、リチャード・ロジャース=ロレンツ・ハートの「I Could Write a Book」を聴いてみます。ミュージカル「Pal Joy」中の曲で、映画化された「夜の豹」にも出てきます。ヴォーカルはもちろん、インストにも沢山のヴァージョンがあります。マイルス・デイヴィスの「Relaxin'」(Prestige)中のものがなんといっても代表ですが、ケニー・ドリューのものにしてみました 。
メンバーは、ケニー・ドリュー(p)、ウイルバー・ウェア(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。これは、ケニー・ドリューのリバーサイドレーベルにおける最終作です。彼の次のリーダー作は1960年録音の「Undercurrent」(Blue Note)で、その後はヨーロッパに渡ってからで、1973年からのスティープルチェイスへのものが多数あります。こうしてみると、60年代は彼のような名手にも厳しい時代でした。
曲は、ミュージカル「Pal Joey」と、映画「夜の豹」で使われたロジャース作の別のミュージカル中のものです。「Bewitched」(魅惑されて)、「Do It The Hard Way」、「I Didn't Know What Time It was」(時さえ忘れて)、「Happy Hunting Horn」、「I Could Write a Book」、「What is a Man?」、「My Funny Valentine」、「The Lady is a Tramp」の全8曲。スタンダードが多いですが、「Do It The Hard Way」や「What is a Man?」といった聴く機会の少ない曲もあります。
ドリュー(p)は、ブルージーなものばかりでなく、歌ものにも抜群のセンスを示し、ミュージカル曲集のこのアルバムでも素晴らしいプレイが聴けます。最初の「Bewitched」は、アルペジオで始まるイントロから終わりまで見事なバラード、「I Didn't Know What Time It was」は、意表をついてスローでスイングしています。「I Could Write a Book」ですが、歯切れよくテーマを弾いた後の長いソロでは、時々和音をはさみながらよく歌っています。
【高遠古本まつり】
長野県伊那市高遠の街並み。歩道が整備されていて歩きやすいです。
メインの会場。冷麦茶の無料サービスもありました。
会場内、数人のお客様がいました。こちらで、ビル・クロウ著・村上春樹訳の「さよならバードランド」の単行本(新品)を購入しました。登山など山関連の本が多くありました。
古書店「陽炎堂」。
住所: 伊那市高遠町1655-1
電話:080-3552-0260
ホームページ:Kageroudou
会場の一つ。信州長野県関係の本が陳列されていました。
会場の一つ。幟も立てています。