安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

シリル・エイメ― LIVE AT SMALLS

2015-11-04 22:12:21 | ヴォーカル(A~D)

先日、久しぶりに東京へ行ってきました。帰りに御茶ノ水と神田界隈を散歩したのですが、御茶ノ水のディスク・ユニオンJAZZ東京にもよりました。ニ階が売り場になっているので、道路に面した入口から階段を上がっていきますが、その階段にそった壁にジャケットが飾ってありました。女性のヴォーカリストのものだったのですが、シリル・エイメ―のものが明るくて気になったので、帰宅した後、彼女のアルバムを聴いてみました。

CYRILLE AIMEE (シリル・エイメ―)
CYRILLE AIMEE + FRIENDS LIVE AT SMALLS (SMALLS LIVE 2010年録音)

   

シリル・エイメ―(vo)は、フランス出身でアメリカで活躍するヴォーカリストです。彼女のホームページを見ると、スケジュールがぎっちりで、アメリカ各地のクラブやジャズフェスの出演が目白押しになっていて、人気も高そうです。もともと、ジプシー・スゥイングに魅せられて歌を始めているせいか、ギター伴奏を主としたものもありますが、スモールズにおけるライブ録音では管楽器を入れています。

メンバーは、シリル・エイメ―(vo)、ロイ・ハーグローヴ(tp)、Joel Frahm(ts)、Spike Wilner(p)、Philip Kuehn(b)、Joseph Saylor(ds)。二管編成のコンボが伴奏にあたり、豪華で、トランペットのロイ・ハーグローブが加わっているのが注目されます。エイメ―は、スキャットを多用していますが、リズムに乗って明るく軽く歌っていて、新しい世代のヴォーカリストという感じがします。例えば、「Love For Sale」でのスキャットは、へんな例えですが、テレビアニメのちびまるこちゃんが歌っていてもおかしくないような気さえします。

曲は、スタンダード主体です。「September in The Rain」(九月の雨)、「Que Reste-Il」(I Wish You Love)、「Yesterdays」、「East Village Inamorata」、「Love For Sale」、「I Was Beginning to See The Light」、「When I Was A Child」、「Lover Man」、「I Mean You」、「Stand By Me」の全10曲。「East Village Inamorata」は、メンバーのSpike Wilner作。元はシャンソンの「I Wish You Love」などをはじめ比較的知られているものが多い選曲です。

シリル・エイメ―(vo)と伴奏メンバーによるジャジーな快作。最初の「September in The Rain」からスキャットが飛びだしますが、自然に楽しく歌っているという感じで違和感がありません。「I Wish You Love」は、エイメ―がゆったりとスイングしていていいムードを出し、続くロイ・ハーグローブ(tp)のソロがメロディアスで見事、「Yesterdays」は一転して急速調で、この曲に対する従来のイメージが変わりますが、バックとともにエイメ―がスイングしていてジャズ・ヴォーカルの醍醐味が味わえます。他の収録曲も面白く、手元に置いておきたいアルバム。

【シリル・エイメ―・ホームページ】

ホームページ:CylirrlMusici/com

【ジャズ東京の階段室壁ディスプレイ】