先週、東京から長野へ戻る新幹線の中でJR西日本のPR誌「西NAVI北陸」12月号をパラパラと見たら、面白いので持ち帰ってきました。特集は、「茶屋文化の残る金沢へ」というもので、JR西日本は金沢誘客に力を入れているようです。その他、「今に残る近代建築 神戸の昔をぶらり」というページにも興味を惹かれました。連続テレビ小説「べっぴんさん」も放映されていることですし、神戸にも出かけたいものです。神戸にはいいジャズクラブがありますが、そんなところで聴きたい歌手。
JACKIE RYAN (ジャッキー・ライアン)
SPEAK LOW (Openart 2006年、2008年録音)
ジャッキー・ライアン(vo)は、アメリカ西海岸を中心として活躍していて、スケールの大きなジャズヴォーカルを聴かせてくれる歌手です。聴いているとサラ・ヴォーンあたりを思い浮かべますが、自ら歌詞を書いてヴォーカリーズを行うなど、創造性に富んでいます。これは、2枚組CDから編集された日本盤ですが、歌、伴奏ともに聴きごたえがあり、入手してよかったものです。
メンバーは、ジャッキー・ライアン(vo)、サイラス・チェスナット(p)、エリック・アレキサンダー(ts)、ジェレミー・ペルト(tp,flh)、ホメロ・ルバンボ(g)、レイ・ドラモンド(b)、カール・アレン(ds)、ニール・スミス(b)、デズロン・ダグラス(ds)。2006年には東海岸で、2008年には西海岸で録音されている、本来はCD2枚分のセッションです。曲により入れ替わりがありますが、第一線のミュージシャンを集めています。
曲は、ベニー・カーター作で、ジャッキー・ライアンがヴォーカリーズした「Doozy」、クルト・ワイルの「Speak Low」、アントニオ・カルロス・ジョビン作「Caminhos Cruzados」(十字路)、バド・グリーン作「Do Something」、オスカー・ブラウンJR作「Opportunity Please Knock」、ポール・ヴァンスリーら作「I Haven't Got Anything Better To Do」(あなたと夜を)、A・C・ジョビン作「Brigas Nouca Mais ~ A Felicidade」、ビリー・ホリデイ作「Tell Me More and More and Then Some」、ボビー・ティモンズ曲、O・ブラウンJR.詞「Dat Dere」(ダット・デア)、ジャック・ローレンス作「With The Wind And The Rain In Your Hair」(雨の降る夜)、サイ・コールマン作「My How The Time Goes By」、「Solamente Una Vez」(ソラメンテ・ウナ・ヴェス)の12曲。スタンダードに加え、珍しい曲、ボッサ、ラテン系とあって、幅の広い選曲です。
ジャッキー・ライアンが実力のほどを示したアルバムで、選曲が多彩で、バックのソロとともに楽しめました。ライアン(vo)がヴォーカリーズを行ったリズミカルな「Doozy」、一転して遅いテンポでしっとりと歌う「Speak Low」、ソウルフルでしなやかな「Opportunity Please Knock」、ファンキー調が楽しい「Dat Dere」とあっという間に聴き終えます。「Dat Dere」などにおいてサイラス・チェスナット(p)やジェレミー・ペルト(tp)、エリック・アレキサンダー(ts)がソロをとっていて、インストファンにもよさそうです。
【ジャッキー・ライアン・ホームページ】
略歴、リリースしたCD、ライブの予定などが掲載されています。
【JR西日本 西Navi北陸12月号】