安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

クリス・ベネット BENNETT ON BROADWAY

2018-03-08 20:11:49 | ヴォーカル(A~D)

JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」3月号の特集は、「山形、骨董探訪。北前船がつないだ庄内、新潟、金沢」です。温泉や食、自然、歴史的建造物などの旅の話題が多い同誌ですが、骨董というのは珍しく初めてかもしれません。お皿やお椀の写真も面白いですが、そこに盛られた料理も豪華で、金沢あたりに出かけたくなりました。豪華なアルバムを。

CHRIS BENNETT (クリス・ベネット)
BENNETT ON BROADWAY (Renegade 2005年録音)

   

ジャズヴォーカルを普段は聴いていますが、このクリス・ベネットのアルバムは、ブロードウェイのショー(ミュージカル)からの曲ばかりで、歌も比較的ストレートなので、どちらかというとポピュラーに近い感じです。声も中音域を中心とした柔らかいものなので、スタンダード曲を楽しむには格好です。

メンバーは、クリス・ベネット(vo,p)、Bill Augustine(p)、Cliff Hugo(b)、Armando Castagnoli(as)、Oliver Brown(per)、Kleber Jorge(g)、Thom Rotella(g)。ベネットは、歌とピアノばかりでなく、ポップス曲を作っていて、ティナ・ターナーやドナ・サマー、マンハッタン・トランスファーなどが録音しているものもあるそうです。

収録曲が壮観で、18曲も入っているのに加え、スタンダード曲ばかりでなくちょっと珍しいものもあります。「Come Back To Me」、「Just One of Those Things」、「Old Devil Moon」、「What Did I Have That I Don't Have?」、「Losing My Mind」、「He Was Too Good To Me」、「Summertime」、「Woudn't It Be Loverly?」、「If Ever I Would Leave You」、「September Song」、「All of You」、「All That Jazz」、「This Nearly Was Mine」、「Get Out of Town」、「Fascinatin' Rhythm」、「I'll Tell The Man in The Street」、「Cabaret」、「The Party's Over」。

ミュージカルからの名曲が、クリス・ベネットの癖のない発声と円熟した歌声で聴ける傑出したアルバム。編曲は、Bill Augustine(p)がやっていますが、曲ごとに楽器編成も考えた丁寧なもので、手がかかっているようです。ミュージカル『On A Clear Day』からの「Come Back To Me」や「What Did I Have That I Don't Have?」がこんなにいい曲だということが、彼女の唄で気づかされました。他にも、『Camelot』からの「IF Ever I Would Leave You」や『Silk Stockings』からの「All of You」、『Leave It To Me』からの「Get Out of Town」などなど楽しめます。曲によってAugustine(p)のソロも入り、ギターやパーカッションを加えた伴奏もしっとりだったり、リズミカルだったりで退屈しません。

【トランヴェール2018年3月号】

   

表紙

   

古美術店の話題も。

焼いたクチボソガレイが美味しそうです。

   

新潟の料理店「雪花」の桜鯛の薄造り。

   

同じく「雪花」の伊万里焼の煮物椀と輪島塗。

    

金沢の「紋」の料理。一段と華やかです。