群馬県の高崎芸術劇場で、トリエステ・ヴェルディ歌劇場によるヴェルディの歌劇「椿姫」の公演があったので、出かけてきました。高崎芸術劇場におけるオペラの初公演です。
(出 演)
指揮:ファブリツィオ・マリア・カルミナーティ
演出:ジュリオ・チャバッティ
ヴィオレッタ:デジレ・ランカトーレ
アルフレード:ジュリオ・ペッリグラ
ジェルモン:ドメニコ・バルツァーニ
フローラ:マルタ・リュン
ドゥフォール男爵:フィリッポ・ルネッタ
ドビニー男爵:クラウディオ・マンニーノ
アンニーナ:アルバーネ・カレール
ガストン子爵:ブラゴイ・ナコスキ
医師グランヴィル/フローラの召使い:ジョヴァンニ・アウジェッリ
ジェゼッペ/使者:ヴィンチェンツォ・サリネッリ
トリエステ・ヴェルディ歌劇場管弦楽団・合唱団
(感 想)
「椿姫」は、ストーリー、音楽、舞台、美術と、代表的なイタリアオペラだけあって、素晴らしい時間を過ごすことができました。「乾杯の歌」、「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、「プロヴァンスの陸と海」などなど旋律美に溢れたヴェルディの音楽を堪能でき、高崎まで出かけた甲斐がありました。
パリ社交界を舞台にした作品ですが、舞台はやや簡素ながら、宴会の場面では1幕と2幕で衣装を替えるなど豪華な感じもあり、2幕ではバレエもあって、きちんとしたよい演出で、さすがにイタリアの劇場だと思いました。最初の序曲から弦楽器パートの響きがよく、木管にもう少し柔らかさがほしかったのですが、楽団も熟達しているようでした。
ヴィオレッタを演じたのは、デジレ・ランカトーレで、歌ばかりでなく、自然にみえる演技で好演していました。特に3幕では、病床にありながら歌を歌うのは本来不自然なのですが、それを感じさせないところが印象的でした。ただ、時に高域がきれいに出ていない気がするところがあり、歌い通しはたいへんです。
アルフレード役のペッリグラの明るく甘めな歌唱もよかったのですが、ジェルモン役のバルツァー二のどっしりとした歌、演技が舞台に重みを与えていて存在感がありました。観客は、8~9割程度は入っていたと思われ、一階はほぼ満席でした。
【持っているDVD】
アルフレード役のロベルト・アラーニャがよいです。