本日、4月3日は、長野県の中部では一月遅れの雛祭りの日です。春が遅いせいか、安曇野市あたりでは、3月3日ではなくて4月3日が普通です。我が家では、この頃では大々的なお雛様の飾りつけはしなくなりましたが、箱から雛人形を出して風にあてることは奥様がやっています。女性の歌声で、ややポップス寄りのアルバムを聴いてみます。
ANITA BRYANT (アニタ・ブライアント)
ANITA BRYANT (CARLTON 1959年録音)
アニタ・ブライアントはヴォーカルの部類で紹介されることが多いのですが、ヒット曲もありオールディーズの歌手と言ってもおかしくありません。彼女の最大のヒットは、1960年の「Paper Roses」(ペーパー・ローゼズ)で、ビルボードホット100に11週ラインクインし、最高位は5位。他にも、「Till There was You」(59年、30位)、「The World of Lonely People」(64年、59位)というヒット曲があります。
彼女は小さいころから歌っていて、1956年にはシングル盤をリリースしています。歌手としてレコードも出して、実力を認められたわけですが、それに加えて容姿にも恵まれ、58年にはミス・オクラホマに選ばれています。
曲は、1曲を除きブロードウェイ・ミュージカルからで、「Till There was You」、「Just in Time」、「Hello Young Lovers」、「Mr.Wonderful」、「Small World」、「Love Look Away」、「Promise Me a Rose」、「Wouldn't It be Loverly」、「Anyone Would Love You」、「Do-Re-Mi」、「The Party's Over」と、それに「Blessings of Love」の計12曲。Monty Kellyが編曲に当たっています。
「Till There was You」は、3連のロッカ・バラードですが、元はミュージカル「The Music Man」(1957年)の中でバーバラ・クックが歌い、1963年にはビートルズが録音しています。「Blessings of Love」もコーラスを伴ったロッカ・バラード、明るく歌われる「Wouldn't It Be Loverly」、少し泣きの入った「Anyone Would Love You」、そしてジャジーな「Just in Time」などが収録されており、ヴォーカル・ファン向けでもあります。
地域によって風習は異なりますが、一月遅れの雛祭りもあるのですね。初めて知りました。
アニタ・ブライアントのペーパー・ローゼズとは懐かしいですね。ハワイアンの明るいバックが印象的でした。ジャズヴォーカル・ファンの間ではめったに話題になりませんが、「Just in Time」はジャストミートする内容です。
月遅れのひな祭りは、長野県では広くそういう風習があります。アニタ・ブライアントのアルバムでは、このcarlton盤が一番素直でいいような気がします。ペーパー・ローゼスにしろ、1960年代はじめころまでは、スタンダードヴォーカルがヒットパレードを賑わす、僕にとっては一番面白い時代です。