長野駅前に最近開店した英国パブ風の居酒屋で飲んできました。ビールの種類が豊富で、おつまみもフィッシュアンドチップスなどそれらしいものが多く、僕にはありがたいお店です。上手く注がれて泡が積み重なったビアグラスのビールはいかにも美味しそうで、何杯かいただきました。今夜はやや硬質なピアノトリオを聴いてみます。
STEVE KUHN (スティーブ・キューン)
OCEANS IN THE SKY (OWL 1989年録音)
硬質できらめくようなタッチが印象的なピアニストのスティーブ・キューンですが、しなやかさも備え、ここでは多様な面をみせてくれます。本作品はパリ録音のせいでしょうか、ドビュッシー作曲の「レントより遅く」をとりあげ、ソロで演奏しています。
メンバーは、キューンのピアノに、ミロスラフ・ヴィトウス(ベース)、アルド・ロマーノ(ドラムス)という興味を引く顔ぶれです。最高のベーシストの一人であるヴィトウスのソロやバッキングも注目されるところです。
曲目のバランスがよくて飽きずに聴きとおせます。スタンダードといっていい「The Island」、「Lotus Blossom」、「In Your Own Sweet Way」、「La Plus Que Lente/Passion Flower」、「Theme for Ernie」、キューンの2曲「Oceans in The Sky」、「Ulla」、ロマーノの「Do」そしてA.C.Jobinの「Angela」、J・Styneの「The Music That Makes Me Dance」という10曲です。
「Oceans in The Sky」は、キューンがトリルを多用して華麗な演奏をしています。「Theme for Ernie」は、テンポを遅くとりメロディを際立たせ、ヴィトウスも長いソロをとって、美しい仕上がりです。「Lotus Blossom」ではキューンの息をも継がせぬ急速調のアドリブが聴けます。「The Island」、「In Your Own Sweet Way」というポピュラーな曲が入っており親しみが持てるアルバムです。