このところ、佐々木譲さんの小説を読んでいます。今回の「北辰群盗録」は、戊辰戦争終結後の北海道を舞台とした活劇で、テンポが良く映画的な味わいもあり、一気に読了しました。1曲目がスローテンポのアルバム。
CURTIS FULLER (カーティス・フラ-)
THE OPENER (BLUE NOTE 1957年録音)
カーティス・フラー(tb, 1932~2021年)は、1950年代から活躍したトロンボーン奏者で、録音も多数に上ります。ブルーノート・レーベルには3枚のアルバムを残していて、本作が最初の作品です。長年の愛聴盤です。
メンバーは、カーティス・フラー(tb)、ハンク・モブレイ(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。お馴染みのメンバーですが、ハンク・モブレイの参加が注目されます。
曲目は次のとおり。
1 A Lovely Way to Spend an Evening (Jimmy McHugh)
2 Hugore (Curtis Fuller)
3 Oscalypso (Oscar Pettiford)
4 Here's to My Lady (Rube Bloom)
5 Lizzy's Bounce (Curtis Fuller)
6 Soon (George Gershwin)
カーティス・フラーの自作が2曲、オスカー・ペティフォード作が1曲、あとの3曲はスタンダードです。「A Lovely Way to Spend an Evening」というバラードを1曲目に持ってきているのが目を惹きます。
カーティス・フラー(tb)の温かみのあるサウンドが素晴らしく、バラードの「A Lovely way to Spend an Evening」や「Here's to My Lady」がとりわけ印象に残ります。前者は、アン・バートンの歌が忘れられない佳曲です。アップテンポのものは、よくスイングしていて、「Lizzy's Bounce」や「Soon」は、ハンク・モブレイ(ts)らメンバーのソロも聴き応えがあります。ボビー・ティモンズ(p)も端正で、全体に整っています。
今回聴いたのは、United Artists社から再発されたレコードです。キング盤でずっと聴いてきました。
(参考)本作から「A Lovely Way to Spend an Evening」と「Soon」が聴けます。
Curtis Fuller - A Lovely Way to Spend an Evening - YouTube
Curtis Fuller - Soon. - YouTube
(安曇野市宅で聴いているところ)
飾ってあるレコードは、右からアン・バートン(vo)「Ballads&Burton」、カーティス・フラー「The Opener」、「South American Cookin!」、「Blues-ette」、「Blues-ette」。アン・バートンの歌で、「A Lovely Way to Spend an Evening」を聴きました。
2枚の「Blues-ette」は、いずれもSavoyレーベルからの再発盤で、右側がレコード盤面にRVG(ルディ・ヴァン・ゲルダー)の刻印入り、左側は入っていません。右側のRVG入りの方が、音質に迫力があります。
【佐々木譲著「北辰群盗録」(光文社文庫)」
表紙
(カバー裏面にある本書の紹介)
(本作の感想など)
お気に入りの作家である佐々木譲さんの著作を、引き続き読んでいます。本作は、ミステリーではなくて、冒険活劇的なものです。戊辰戦争後の北海道における共和国建国の夢に向かって奮闘(暗躍)する人物と、現在は政府の役人となっている元同僚の姿を中心に描いたもの。
当時の蝦夷地(北海道)の様子もよく描かれていて、歴史的にも興味深かった。映画的で、西部劇のような味わいが出ていて、大部ですが、全く飽きない面白い小節でした。