今日は出張で、菅平高原(上田市)、佐久市、小諸市など東信地方(長野県の東部のことをいいます)に行ってきました。菅平高原は、夏のスポーツ合宿や冬のスキーで賑わう観光地ですが、訪れたのは二十年ぶりくらいなので、道路沿いにある「唐沢の滝」と「菅平ダム湖」の写真を撮ってみました。天気もよくて高原を爽やかな風が吹き渡っていました。今日はリズムが賑やかな作品を。
FRANK WESS (フランク・ウェス)
SOUTHERN COMFORT (PRESTIGE 1962年録音)
ジャズのフルート奏者は、かつては専業の人は少なく、ビッグバンドで持ち替えて演奏するという人が多かったように見受けられます。カウント・ベイシー楽団に在籍したテナー・サックス奏者のフランク・ウェスもその一人ですが、同楽団におけるソロ、そして多くのレコーディングでフルートを用いており、フルートも主楽器になっています。
メンバーは、フランク・ウェス(ts,fl)、オリバー・ネルソン(ts,arrange)、アル・アーロンズ(tp)、ジョージ・バロー(bs)、トミー・フラナガン(p)、ジョージ・デヴュヴィエ(b)、オシー・ジョンソン(ds)、レイ・バレット(コンガ)という8人編成のコンボで、コンガが入り、リズムが強化されています。コンガ入りの作品は、僕は敬遠気味でしたが、この頃では気にならなくなっています。
オリバー・ネルソンによる編曲が施されていますが、ぶっつけ本番の多いプレスティッジ・レーベルにしては珍しいかもしれません。曲は、ネルソン作「Southern Comfort」と「Shufflin'」、ウェス作「Gin's Beguine」と「Summer Frost」、Bob Bryant作「Blues For Butterball」、そしてスタンダードの「Blue Skies」、「Dancing In The Dark」。
ブルージーな「Southern Comfort」、「Blues for Butterball」では、ウェスがテナー・サックスでエキサイティングなソロをとり、ベイシー楽団の同僚アーロンズ(tp)はリズミカルなフレーズを連発して余裕のあるところをみせ、ドラムスとコンガの掛け合いがスリリング。ウェスのアルト・フルートの妙技が披露されるバラード「Summer Frost」、デヴュヴィエ(b)をフューチャーした「Shufflin'」と、中身がバラエティに富んでいます。フラナガン(p)のソロもありますが、リズム陣の予期せぬ活躍ぶりにも驚いた一作で、ネルソン編曲のアンサンブルが聴けるのも嬉しい。
【唐沢の滝】
菅平高原の入口にある、高さ15メートル、幅10メートルの滝。道路から近いので、季節を問わず見に行けそうです。新緑の中を水しぶきをあげて滝が流れ落ちます。
【菅平ダム湖】
フランク・ウェス、いいですねぇ。メンバー良し、内容良しのこのアルバムは、カット盤でしたが安く売られていました。ウェスが今一人気薄なのは器用貧乏なのかもしれません。フルート奏者が少ないので目立つようにフルート専門にした人にハービー・マンがおりますが、もしウェスがこの楽器に専念したら売れるアルバムを残したと思います。
フランク・ウエスのフルートですぐ思い浮ぶのは『OPUS DE JAZZ』ですが、彼のフルートはこの時期の爽やかな風のようで、いいですね。ベイシー楽団におけるフルートソロは一服の清涼剤です。
ジャズにおけるフルートの響きは比較的好きですが、
その昔、人気盤ということでビル・エバンスがジェレミー・スタイグと共演した『WHAT'S NEW』を手に入れましたが、スタイグの少々アクの強いフルートに、同じフルートでも様々な味があるもんだなと思いました。
本当にこのアルバムはよいですね。ちょっとした隠れ名盤といっていいかもしれません。dukeさんがお書きのとおり、ウェスは、フルート専業だったらもっと広く聴かれたかもしれませんね。ビッグバンドのサックスセクションは、持ち替えですが、エリントン楽団やベイシー楽団のメンバーだと、持ち替えとはとても思えないような演奏をします。本当凄いと思います。
「OPUS DE JAZZ」は最高ですね。ミルト、ウェスともに。僕はとりわけ「You Leave Me Breathless」におけるウェスのプレイが記憶に残っています。「What's New」もエヴァンスの作品として聴いていましたが、せわしないところがありますね。
フランク・ウエス・・・・・いいですね。
器用な人なんでしょうね。
私が持っているのは『OPUS IN SWING』だけなんですが、このアルバムも欲しいですね。
早速見つけてみたいですね。
私もコンガ入りのものは敬遠してましたが、最近は「いいんじゃない!」となりました。年のせいでしょうか???
このアルバムですが、最近ではもう一枚との合わせ技で「Long Road」という名前でCDが出ていました。フランク・ウェスのリーダーアルバムは、ものによって出来不出来があるように感じますが、「Southen Comfort」は捨てておくには惜しい作品です。また、ムーディー系ですが、トミー・フラナガン(p)の名演も聴ける「The Frank Wess Quartet」(Prestige Moodsville)も一聴に値すると思います。これも、CD(OJC)が出ています。