老年について(キケロー著)
大カトー「ソポクレースは非常な高齢に至って悲劇を作った。それに熱中するあまり、家政を疎かにするように見えたので、息子たちが彼を呆け老人として家政から引き離してもらおうとした。われわれの習慣で、ちゃんと家の管理ができない父親は禁治産宣告を受けることになっているが、それと同じだ。ところが、その時老詩人は、最近書き終えたばかりで未提出であった作品、『コローノスのオイディプース』を裁判官に向かって朗読し、この詩が呆け老人の作と見えるか、と尋ねたという。この朗読の結果、裁判官の判決によって彼は放免されたのだ。」(p27~28)
これを読むと、古代ギリシャ・ローマでも成年後見制度があったことが分かる。
ソポクレースは、息子たちから後見開始の審判申立てをされていたのである。
だが、90歳のソポクレースには、十分な事理弁識能力があった。
法廷で、ソポクレースがオイディプスやアンティゴネなどの役を一人で演じていたのかと思うと、なかなか感慨深いものがある。
大カトー「ソポクレースは非常な高齢に至って悲劇を作った。それに熱中するあまり、家政を疎かにするように見えたので、息子たちが彼を呆け老人として家政から引き離してもらおうとした。われわれの習慣で、ちゃんと家の管理ができない父親は禁治産宣告を受けることになっているが、それと同じだ。ところが、その時老詩人は、最近書き終えたばかりで未提出であった作品、『コローノスのオイディプース』を裁判官に向かって朗読し、この詩が呆け老人の作と見えるか、と尋ねたという。この朗読の結果、裁判官の判決によって彼は放免されたのだ。」(p27~28)
これを読むと、古代ギリシャ・ローマでも成年後見制度があったことが分かる。
ソポクレースは、息子たちから後見開始の審判申立てをされていたのである。
だが、90歳のソポクレースには、十分な事理弁識能力があった。
法廷で、ソポクレースがオイディプスやアンティゴネなどの役を一人で演じていたのかと思うと、なかなか感慨深いものがある。