P.I.チャイコフスキー:四季 Op.37a
F.ショパン:12の練習曲 Op.10 F.ショパン:12の練習曲 Op.25
<アンコール曲>
私はこのピアニストは初見なのだが、フライヤーの、
”アシュケナージが認めた逸材”
”前回の武蔵野公演は3,500円(友の会),今回は1,300円(友の会)!!
掟破りの”友食い状態”だ!!
アウトレットで朝4時から並んで買いたくなるような激安料金”
というくだりでどうしても買いたくなった。
ここの主催者は、こうした言葉のパワーで、(お金を余りかけずに)完売を連発しているのである。
最前列中央やや右寄りの席をゲットしたのだが、私は、この位置を、長年の経験から「ピアノの音が最も強烈に降り注いでくる位置」だと認定している。
これに対し、オーケストラやオペラのコンサートの場合、通常、最前列は「最も良い席」とは限らない。
もちろん、「最も良い」という定義の問題はあるが、主催者側が先行予約の際に勧めて来るのは、前から5~10列目のことが多いように思う。
某オーケストラの事務局の方にきいても同様の見解だったし、二期会の最速チケットを購入した際も、「あんまり前だとよくないので、5列目くらいにしますね」と言われたことがある。
つまり、おおむね「とちり席」が良い席と考えられているようなのだ。
ところが、ピアノのコンサートについては、やはり最前列がおそらく「最も良い席」だと思う。
これは、グランドピアノの音が、上と下に向かう(音がおちる、音がのぼる)からだと考える。
下に向かう音は、ステージの斜め下に落ちていくのである。
なので、小ホールで最前列で聴くのと、大ホールの最後列で聴くのとでは、それこそ天と地ほどの差が出てしまう。
イリヤ・ラシュコフスキーは、力強く躍動感のあるタッチが魅力のようで、席が前の方ほど迫力が感じられるパターンであった。
なので、曲によっては(例えば、四季「舟歌」、エチュード25の10番や12番などは)、聴いていて逃げたくなるような恐怖を感じるくらいだった。
”アウトレットで朝4時から並んで”買ってもよいくらいなのである。