明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ディアギレフは写真は残されているが、太ったり痩せたり写真によって感じが違っていたりする。患っていた糖尿病と関係あるのかもしれない。母親がそれが原因で難産で死んだという説がある巨大な頭に、コンプレックスを持っていたのは間違いなく、サイズが合っていない小さい帽子で頭を隠していることが多く、大きな襟の付いたコートを愛用するのも、頭を小さく見せる工夫であろう。私が始めてディアギレフを作ったのは2001年だが、当時、レオン・バクストの肖像画を見て、こんなタレ目の人間がいる訳がないと思ったが、バクストの作風からして妙なデフォルメをする訳がない。しかし正面の写真を見ても、タレてはいるが、それほどでもない。同じようなことは他にもあり、まるで鉄腕アトムのツノや、矢吹丈の前髪はどっちを向いているのだ状態であった。つまり、角度によって様々な様相見せる顔なのである。ディアギレフの頭部を作ったのは正確にいえば2つということになるが、長らくこの矛盾を解決することができず、常に未解決部分を残していた。そして2つ目の改良を続けているうち、原型はほぼなくなってしまった。そして本日、午前4時40分、私としてはついに回答が出たという気がしている。つまりディアギレフという人物は、おそらくこんな顔だったろう、という私の結論である。もっとも私のことだから、またいつ手を加え始めるか判らないが、とりあえず本日は目出度いと、木場公園にて午前中から花見。そういえば、ディアギレフもこんなポーズで、最後を看取ったリファールや、ボリス・コフノ等と、草の上に寝転がっている写真があったな、などと想い出した。

01/07~06/10の雑記
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