明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



夕方、T屋のHさんから有楽町より電話。私が教えた新小岩のモツ焼き屋にいかないかとお誘い。前回一人で行って錦糸町のキャバレーなどハシゴをし、気がついたら6万円が消えていたらしいが、よほど気に入ったらしい。急にいわれたって、と断わる。1時間後。今度は階下に住むフリーのプロデューサーYさんから電話。「K本で飲んでるんだけど」K本なら息を止めてたっていける距離である。行くとYさん『ゲゲゲの鬼太郎』『鴨川ホルモー』の 元木克英監督、撮影の京都弁のEさんともう一人のスタッフと飲んでいる。開店前から押しかけているらしい。Yさん明日は早朝ロケらしく、いまから携帯の目覚まし音のボリュームを元木さんに大きくしてもらっている。閉店の時間となり次T屋に行こうとYさん。いやHさん今日新小岩で飲んでるからいませんよ、というがYさんかまわず「かあちゃんいるから大丈夫」行くと当然閉まっている。「オーイ」Yさん大きな声で呼ぶのはT屋の小学生の娘の名。奥さんと娘が店を開ける。なんでもありである。 同じ松竹の監督ということで小津安二郎など映画の話で盛り上がる。そうこうして3時から飲んでいたみんなが帰り、私一人がT屋の奥さんと飲んでいるとHさん帰宅。土曜にこの時刻ならべろべろのはずのHさんがシラフなのは珍しい。しばらく飲んでいたらHさん、奥さんへの誕生日プレゼントだと何か箱を渡す。嬉しそうな奥さん。昨日TVの草なぎ君の記者会見を観ながら、あの程度でこんな目にあうなら、あんたなんか死刑だよ、といってやったHさんが、私の前でほのぼのとした三文芝居。照れ臭いので私がいる間に渡したかったらしい。冗談じゃない。馬鹿々しい夫婦漫才見せられて。さっきみんなと一緒に帰れば良かったよ。

01/07~06/10の雑記
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今回まず決めたのは、背景が夜ということと、清張の髪がいくらか風に乱れ、ネクタイがなびいていることであった。こういうことは、何がどうということではなく、なんとなく浮かぶのである。本文には日比谷と清張のかかわりについて詳しく書かれているが、日比谷といって私が思いつくのは『日本の黒い霧』とかかわりの深い、GHQ(連合国最高司令官総司令部)が置かれた旧第一生命ビル(現DNタワー21)である。実際行ってみると実にサッパリしたビルで、最近デザインされたといってもおかしくない。補修が行われたためか、使われた石材の質によるものか私には判らないが、経年変化が感じられないので、ここをあのマッカーサーが出入りしていたとはイメージしにくい。一方隣りにならぶ明治生命ビルは装飾的で趣もあり、画になるように思われた。明治生命ビルもGHQに接収されているので、司令部に比べれば印象は薄いものの、私としては画になるかどうかも重要である。 今までどちらかというと明るい表紙が多かったので、今回は清張ということで、サスペンス調の夜景でいこうと考えていた。ところが窓に灯りがともる時刻になると、明治生命ビルはいささかロマンチックに過ぎ、前を歩くのが清張だと思うとまるで合わなかった。マッカーサーは司令部の場所を決めるとき、何棟かのビルを見て周ったそうだが、第一生命ビルは、そう思うと皇居を見渡す位置にあり、質実剛健的イメージのマッカーサーらしい選択と思われた。記念室となった旧マッカーサー執務室は、9・11テロ以降公開していないらしい。

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