明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



スケジュール的に追い詰められてくると、石の下から這い出してくる魑魅魍魎のように、私の前に現れる恐ろしい敵がいる。これは私のマゾヒズムに由来する物ではないかと思うが、この期におよんでニューアイディアが湧き出してくるのである。それはトッド・ブラウニングの『フリークス』の一場面のように、地面を這うように私に向かってジリジリと迫りそして苛むのである。これは前触れもなく棚からボタ餅が落ちてくるように湧くので、自動車事故と違って防ぎようがない。そしてこれが決まって誘惑的なアイディアなのである。 昨日、鮎川哲也賞授賞式会場で一つ上から落ちてきた。きっと横で私に向かって「間に合うんですか?」といった人物のせいである。こんな時の私の不安感を餌に、この敵は生きている。 このブログでもたまに、こんな物は作るわけにはいかない、などと書いたときは、おそらくどこかで作ることを決めているので、内容に関しては一切書かないことにする。そして、まずやるべきことをちゃんと済ませ、余裕があったら手掛ければ良いではないか。「ウン判った」。私は幼い頃から何度そういってきたであろう。こんなことが、これからしばらく続くことになる。悪魔は間違いなくいる。

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