明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『船の挨拶』の燈台守の海上保安員が、密航船に銃撃されるクライマックスシーンの制作。すでに開け放たれた見張り小屋、旗柱にたなびくW・A・Y『汝の安航を祈る』の国際信号旗、上空を飛ぶトンビなどすべて制作済みである。以前ブログに書いたかもしれないが、芝居がかった調子で撃たれ、芝居がかったようすでヒラヒラと落下する制帽、というのをイメージしていたのだが、まてよ?撃たれるからには血しぶきが不可欠であるが、時間的に考えて、しぶきが飛んだ時点では、まだ制帽はヒラヒラと落下はしていない。落ちる制帽で画面に動きを与えるつもりでいたのだが。では一瞬後の、撃たれて崩れ落ちるところはどうか。いややはり当たった瞬間のヒット感には換えがたい。 ここで『中央公論Adagio』で松尾芭蕉を制作した時のことを想いだした。“蛙飛こむ水の音”は普通想像するのはポチャンであろう。ところが小石を投げ込んでみれば判るが『ポ』でしぶきがあがり『チャン』で波紋ができる。そこで実際ありえないが、両方をあわせて『ポチャン』のしぶきを捏造したのである。今思うと何もそこまで、と思うのだが。 今回はどうするか。血しぶきははずせない。となれば制帽は衝撃で頭からわずかに浮いている程度に留めるべきかもしれない。

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