明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


三島が好きなタイプの男に扮し様々な死に方をしている。三島にはドンピシャに決まっている。私は当然そう考えたが、今から42年まえに、そんな写真集を企画したのが、薔薇十字社の社主であった内藤三津子さんである。三島を3度にわたって説得したのが内藤さんだと知った瞬間から、人見知りの私が絶対お会いしたいと思った。連絡先が判り、お手紙をお出しして、明日会えるという日にK本に飲みに行き、当時同じマンションに住んでいたフリーの映画プロデュサーYさんにその話をした。するとYさん、若い頃に映像の仕事で横尾忠則さんについて助手をしたことがあり、篠山紀信撮影の三島が聖セバスチャンに扮したカットを参考に、絵を描いている現場にいた、という。しかも今日、横尾さんの事務所に数十年ぶりに電話をしたところだという。 『男の死』はもともと雑誌『血と薔薇』に三島が聖セバスチャンに扮した物と海辺での2カットが発表され、それが発端となり横尾さんと三島の二人の写真集として企画された。横尾さんの体調の問題で三島の分だけが撮影を終え、その一週間後に亡くなる。 そしてYさんは現在横尾さんのドキュメント映画を制作しており、私は内藤さんに個展のDM用に一筆いただいたところなのである。

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