明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



大変有名な三島扮する『聖セバスチャンの殉教』は、数年前にニューヨークで別カットが発見された。三島が手紙と共に送ったものだそうだが、それはぼかしてあったが腰の布も着けていない。両カットとも苦しそうだが、殉教の図なのだから、もう少し恍惚として嬉しそうでも良かったのではないかと思っている。 一方私のセバスチャン?は、というと、燃えさかる金閣寺の二階の柱に縛られている。西洋の聖人が日本のお寺で、というのはおかしな話だが、面白ければ整合性などどうでも良い、と少年の私に教えてくれたのは、かの偉大な江戸川乱歩先生である。そんなことを気にしているようでは健全な大人になれんぞ、と。 私は確かに、小学校の木造の図書室でその声を聴いた。

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