明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



今回Kさんの頭部の5針は、ほとんど文房具のホッチキスのような物で止められていたらしいが、それも取れた。いくら頭に見えるところがただのダミーだとしても、いったい何針縫えば気が済むのか。私は小学校の家庭科が大の苦手であったが、嫌々作った雑巾を思いだしてしまう。 前の晩から飲み続けて椅子から落ちたのだが、「もう絶対こういうことにならない」といっている。しかし「もう救急車に乗らない」といった数時間後にさっそくに乗り、パトカーに乗せられて帰ってくる人であるから、本気で聞く人など誰もいない。 Kさんは今回の“事故現場”であるT屋のかみさんの誕生日に、ケーキをプレゼントするのが恒例になっている。最初にケーキに○ちゃん命と書いてもらい、旦那と一番下の娘に,そこを食われた。以来、なんて書けば良いか悩んでいたので、私が手伝うことにしている。私としては、なんて書いてあれば旦那と娘に食われて可笑しいかである。そんなに毎日のように入り浸っているなら、いっそ『養子にしてください』。はどう?といってみたり、矢切の渡し調に『一緒に逃げて』は?ストレートに『結婚してください』。とかいってみるが、ケーキ屋でいい出せなかったり字数が多すぎたり、実際は紙に鉛筆で書いて入れるだけのようである。かみさんからはケーキに書いてないと、といわれたらしい。私としても娘のAちゃんに「Kさん馬鹿じゃないの?」とかいわれながら食われないと面白くない。今年ももうその時期であるが、そんな案配なので、私もたいして思いつかない。本人の怪我の頻度が高い今日このごろ。『涅槃で待つ』はどうかと思ったが、ちょっと古いし、Kさんの辞書に涅槃が載っているわけがない。

去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )