先日出版社内で撮影した著者を、あらかじめ用意していた背景に合成した。背景の光線具合に合わせて撮影したので、それほど手間をかけずに納まってもらえるはずであった。一旦は納まった。 カーテンの色を変えることにした。ところがカーテンが壁の色にあわない。壁は外の夕景が反映しているという設定で、その赤みが合わないのである。青色がかった空に変更した。当然外光が当たっている著者に当たる光も変えなければならない。カーテンは周囲の状況に合わせて選ぶものであるが、カーテンのおかげで天候まで変えることになってしまった。 こうなると後はロシアの文豪を登場させるだけだが、頭部を作ったまま、未だに身体の制作に入っていない。頭部が異例ともいえる速さで完成してしまい、手持ちの背景を使うこともあり締め切りには多少余裕がある。それに構図が決まった今、文豪は手前に大きく持ってくることを考えれば作るのは上半身の前面だけである。ここで私の悪い癖がでる。快感を引きのばそうとするかのように、ぐずぐずと作り惜しみをするのである。厄介な頭部や、背景も完成している。あとは楽しいだけで、家に帰れば創作の快楽が待っていると思うと、外出していても気分が違う。飲酒中はもちろんである。これがまたマゾヒズムめいた快感なのである。しかしこれが結局弓を引き絞ることとなり、制作に入れば普段以上の集中力を生み、結局一気に作ってしまい終了する。 当ブログを見ていただいている方の中には『貝の穴に河童の居る事』の出演者もいる。ぐずぐずしていないではやく河童に戻れという声が聴こえてきそうである。
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