学生時代、美術展の審査会の搬入のアルバイトをした友人から訊いた話である。審査会場では名簿を見るだけで、作品を見もせず手を上げる審査員がいたそうだが、そんなことはどうでも良い。 ある時、物凄く厚塗りの油絵を運んだ時のこと。絵が床に着いたとたん、全体にズルッと絵自体が下にズレたという。乾いているのは表面だけだった。という話である。本当の話だったかどうか。その友人は亡くなったので確かめようがない。(子供時代、“乾いているのは表面だけだった”ことによる、畑での悲劇は見たことがある) 昨日、作品が生乾きだったおかげで渾身の作品を額装中に駄目にしてしまった。これはズレた絵と同様、ギリギリまで粘らず、余裕を持って制作しろ、という戒めである。もっとも件の作品は、粘ったおかげの最後の一作だったのだが。 今後の戒めにとっておくことも考えたが、そんなことをしていたら部屋が戒めだらけになってしまう。一部を切り取り、オイルプリントと取り組み、初めて画像が現れた、記念すべきブローニーサイズのプリントと同じ引出しにに入れた。 その代わりというわけではないが、急遽、私自身懐かしい作品が会場に届いた。1枚はずっと当HPのトップページを飾っている。他にも額装していないので会場には展示しないが、何点かお持ちしたい。 他の3名の方の作品がまた素晴らしいので是非お出かけ下さい。 初日である明日は、私は3時を(あくまで目標に)会場に出かける予定でいます。
『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)
http://t.co/lc05lwVaiM
※世田谷文学館にて展示中10月5日まで
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