明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ドストエフスキーはどういうわけか口を半開きにしているポートレイトが多い。それではホコリが入る、と親にいわれなかったのだろうか。私はいわれた。髭も実際は密度もなくポヤポヤである。これは粘土ではどうしようもない。私が作った像も実は口を開いていたのだが、鼻の下の髭が陰となってそう見えない。口を閉じることにした。 松尾芭蕉を作った時、勝手な芭蕉像ばかりだ、と弟子達の描いた肖像画にこだわったが、実は私より年下のくせに、枯れ木のような老人像ばかりで頭に来ていた訳で、ドストエフスキーは過去の肖像画家がそうしたように文豪然とさせることにした。 ところでドストエフスキーの肖像画といえば、世界的にもっとも有名なのがこの画であろう。ところが困ったことに、私にはどうしてもドストエフスキーに見えないのである。制作時、これだけリアルに描かれているのだから参考にしたいところであったが、まったくできなかった。どこからか髭生やした農民連れてきて座らせたようで、未だに別人に見える。耳小さいし。

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

『朗読、音楽、スライドで味わう 乱歩と鏡花』予約受付中

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回



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深川江戸資料館の個展関連イベント5月6日の朗読ライブ。第1部の乱歩作品は、2006年に世田谷文学館でおこなった再演ということになる。その時は4作品を2部に分けたが、今回は2部の泉鏡花作『貝の穴に河童の居る事』と1時間づつ。合わせておよそ2時間を予定している。となると何をカットするかだが、手首を喪ったピアニストの話『指』は世田谷文学館を医院に見立て、ピアノの嶋津さんにピアニストを、医者を副館長、アルバイトの女の子に看護士役をやってもらった。その日限定の作品であったが、人形も出てこないし会場に合わない可能性もありカット。残る『屋根裏の散歩者』『白昼夢』『人間椅子』だが1時間をオーバーしてしまう。2作品にしてゆったりやるべきか、構成もお願いしている朗読の田中完さんとピアノの嶋津健一さんに相談したところ、約6分間分を構成し直し、3作品でいくことになった。3月10日より予約受付。

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

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