明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



自分の作品を撮影するようになったのは、会場にポツンと作品を立たせていただけでは、この人物は私にはこう見えている。という部分が言い足りないような気がしたからだが、『江戸東京たてもの園』で、園内のたてものを背景に人形を撮影した作品と被写体の人形を展示したことがある。その時はこの人形を使った、と横に書いてあるのにかかわらず、「いや、これは違うよ」つまり撮影に使ったのはもっと大きい人形だ、という人がいた。人の頭は頑固なものだな、と横で聞いていて驚いた。以前、江戸川乱歩邸の机の上に飾っていただいていた気球にぶら下がっていた乱歩を、あそこまで嘘くさいのにかかわらず乱歩の実写だと思った雑誌編集者がいた。そもそも作家シリーズに転向したのはジャズシリーズの写真を被写体とともに展示したのに写真は人間を写した、と勘違いした人(これも雑誌編集者)がいたのが最初のきっかけである。私はこれは私が作った、といいたいのである。必要以上の表面的リアルは追求はしない。 しかしそうはいっても、今回2メートル前後のプリントを展示する予定だが、人間大、またはそれ以上に拡大された人形がどう見えるのか。作った私が想像ができていないのだから、いってる私の頭も案外硬い、ということなのだろう。

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深川の人形作家 石塚公昭の世界展

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回 

 

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