明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



少々感激することがあった。私は良い人達に囲まれている、とつくづく感じるここ4年である。なんでそこまで、と恩を受けた私が思うくらいであり、そんな奇特な人がいるわけないだろ。といってるその人が顔も知らない友人から同じことをいわれている。私は何一つしてあげたことなどないのに。有難いことである。私には個展に来てもらって笑ったり呆れたりしてもらうぐらいしかお返しができない。 他にやることがあるのでベランダで乾かしたままにしていた夏目漱石の胴体。腕組みして着物姿で座っている。まだ座布団を作っていなかった。やはり座布団が要る志ん生と一緒に並べて作ることにした。 漱石は痔に苦しんだ。近いうち痔の手術をする、という友人と、漱石の痔の話をしたばかりである。柔らかめの座布団にするべきか? 『御尻は最後の治療にて一週間此所に横臥す。僕の手術は乃木大将の自殺と同じ位の苦しみあるものと御承知ありて崇高なる御同情を賜はり度候。』乃木は明治天皇崩御の翌日割腹したが、介錯人はおらず、苦しみ悶える声が一晩中近所に響きわたった。

『朗読、音楽、スライドで味わう 乱歩と鏡花』予約受付中

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回 

 

 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )