明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



うっかりしていたが、チラシにオイルプリントのことが書かれていなかった。当然出品する予定である。写真の古典技法に興味がない方々にはなかなか見てもらえないが、出せるものは出そうという今回のような個展では、どさくさに紛れて見てもらえるだろう。 仕上げをしながら、最後に手がける作品を、太宰治、徳川慶喜から選ばなくてはならない。慶喜は作った後、あまり写真作品にする機会はないように思える。将軍といえば、キュウリは斜めに切ることが多い。私は子供の頃、近所のおばあさんから台所でキュウリを切りながら聞いたことがある。「将軍さんに申し訳ない。」つまり普通に筒切りにすると切り口が葵の御紋に似ているから、ということである。そのおばあさんは江戸っ子であったが、将軍家ファンの親だかそのまた親からいわれ続けたのであろう。「将軍さん」といういいかたが「大家さん」みたいであった。 そういえば頭だけ残っているといえばドストエフスキーがいた。一度著者と書かれた人物を共演させてみたい、と思っていて提案した作品である。後の撮影を考えるとドストエフスキーかもしれない。

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

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『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回



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