明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



展示できる状態になかったエドガー・アラン・ポー、伊集院静、向田邦子、坂本龍馬、手塚治虫、を平行して作っているが、そろそろ見切りをつけないと、中途半端のまま間に合わないということになりかねない。次に早世の天才、詩人であり画家の村山槐多を選ぶ。槐多は学校を出て、岐阜の山奥の製陶工場に勤めていたときに知った。周囲に20代の人間は皆無という環境であり、田んぼの間を2キロ歩いて毎晩飲みにいっていた。自覚はなかったが、寂しかったのだろう。もっともそれは人寂しいなんて話ではなく、自分の進むべき道が見えない寂しさであった。肺病病みの詩人の物語は沁みた。 槐多は死の直前、病の快癒を願い房総を旅する。海岸を歩きながら胸に一杯の陽光を受けたことだろう。そんなポーズにしよう。そしてフンドシにはあの文字を入れよう。臨海学校だかの写真の槐多はフンドシにアルファベットで“メランコリー”と書いている。

『朗読、音楽、スライドで味わう 乱歩と鏡花』3月10日予約開始

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回 

 

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