明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



以前、サンディエゴ写真美術館(Museum of Photographic Arts)の館長デボラ・クロチコさんに作品を見ていただいた時、私と同じようなアプローチをしている人はいますか、と訊いてみたら、考えて紙に書いてくれたのがシンディ・シャーマンだったから、多分いないのであろう。何故そんな質問をしたかというと、もし他にもいる、といわれてそいつが私より面白いことをしていたら、現在やっているようなことは即座に止めるつもりでいたからである。良い悪いはともかく、地球上に私一人である、という気分が私には必要なので、それさえ味わえるなら私は耐えられる。 デボラさんにお会いしてもう一つ感じたことがある。私が制作してきた人物でご存知だったのはおそらく三島由紀夫だけだったろう。ということである。その場におられたご主人がどんな人かは知らないが、おそらくブラックミュージック好きで、私のロバート•ジョンソンに反応してくれたが、デボラさんにあんたは余計なことはいわず黙ってなさい、的なことをいわれていたようである。そういう意味においては、現在制作中の人物は三島以上に知られているだろう。デボラさんは私の作品を見てユニーク々と連発してくれたのが何より嬉しかったが、日本人は何ですかこれは?となってしまって成分を知るまで血が巡ってくれず、即座にドヒャーッとなってくれない。今回はとても判りやすくドヒャー用に制作しているのだが。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

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