人物はフンドシも露に凌辱されんとするところ、必死に抵抗している訳だが、フンドシを露にすることばかり考えていて、とけた帯がなかった。これは粘土でなく布にしよう。 ここまで来ると、おおよその方がどんな場面を私が作ろうとしているかお分かりになったことであろう。海産物に凌辱されている。なんて作品はあれしかない。それに触発された作品は同時代はもとより、世界中に数々あるが(私もすでに制作した)それらの作品と違うところといえば、私の場合、作家、文士シリーズ同様、本人が主役を務めることである。また、私の作品が写真であるがどうかの判断はお任せするとして、あくまでカメラで撮影することであろう。 明日は新鮮な海産物が到着しだい撮影する。まったくいかにも私の思い付きそうなことだ、と年の瀬に。もう実在した人物は作らない、といった舌の根も乾かないうちに始めてしまったのは、ひとえにこの場面を思い付いてしまったからなのであった。
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