明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日撮影した人物は全身をバラバラにし、実際は160センチの被写体の身長を180センチ相当にサイズアップ。ポーズも予定通りの状態に組み立て直した。制作中の立像を乾燥状態まで持って行けたら、首を引っこ抜いて、さっそくそのポーズに合わせて寝ているところを制作することにする。フォトショップによる画像の加工は、私は自分勝手にやってきたので、普通はどうするものかは知らないが、私の場合は感覚的にはほとんど粘土による造形と同じ要領である。 この作品はどちらかというと私の“感心されるくらいなら呆れられたい”願望を満足させるための作品であり、またそんなことを始めて、と一部にはすでに呆れられているが、これは私がそういうタチなのであるからいかんともしがたい。決して人を笑わせるためにやっている訳ではなく、この人物の、こんな部分を表現するとしたら、と私の中に真面目に浮んだ作品である。でなかったらパンツ一丁の染みだらけで乳首に白髪の毛が生えた年寄りに白粉塗ったりできないだろう。もっとも、どうせ呆れられるなら、眉間にシワを寄せられるよりは笑ってもらいたくはある。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

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