明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



某人物の立像が大まかにできて明日には乾燥に入れるだろう。芯に入っている盆栽のアルミ線によりロクロ台に立っているのだが、表面だけでも乾燥したら切り離し、完全に乾燥が終わったら手付かずの着物の裾やら足の部分を制作する。このロクロ台は二十歳で卒業した陶芸学校から借りっ放しの物で、もう一台同級生が持ち出したロクロもある。その学校は、とっくの昔になくなっている。来年は、おそらく久しぶりに二台のロクロを同時に使用しながら、ということになりそうである。そうなると一日中座りっぱなしになるから、エコノミークラス症候群に気を付けなければならない。目的もなくただ散歩する、ということが私にはできない。もっとも飲み仲間のMさんが、よく自転車に乗っていたのに血栓が心臓に来て亡くなっているから、あまりあてにはならない。 これから制作する作品は、私の感心されるくらいなら呆れられたい願望を満足させるための作品になる予定だが、その分、芸人用語でいうところの“すべったら”目も当てられない、という危険をはらんでいる。作ってみてこれはまずい、ということになったら一時熱中した糠床や熱帯魚のようにブログで触れず、なかったことにすれば良いだけだが、今回は私にパンツ一丁で白粉を塗りたくられた爺さんが黙っていないだろうし、おそらく来週には某所から活け締めされた海産物をネットで注文することになるだろうから、できるだけそんな結末は避けたい。ここまで書くと当ブログを昔から読んでいただいている方の中にはアレだな、と勘が働く人もいるかもしれない。もう1つヒントを申せば、この海産物使用は2度目となる。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

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