昼に知人と待ち合わせ、泰明小学校近くの蕎麦屋、泰明庵で食事。刺身、天ぷら日本酒と少々食べ過ぎ。山野楽器でギターのストラップ、シールドを買おうと行った。入り口で初めて体温を計られるが、エレキギターの階は閉鎖中。森下の芭蕉記念館に向かう。 2階の展示室へ。十二月の『芭蕉サミット』に向け、9月17日より『深川芭蕉庵』という催事があり、芭蕉庵を作らなければならない。私の芭蕉像のサイズに合わせると、かなりの大きさになってしまう。芭蕉庵は八百屋お七の火事で焼失したり、売却したり、と三軒の存在が確認されているようである。それも一部屋だっり三部屋の場合もあったという。スペースのことを考えると、一棟丸ごとは厳しいので一棟の後ろ部分をカットせざるを得ないであろう。芭蕉の木は必要不可欠であるが、そうなると池も欲しくなる。まあ、やれることとやれないことはある。庵まで作るとなると石塚式ピクトリアリズムと、もう一つ本物の芭蕉の木や池、背景を合成して、それこそ深川の芭蕉庵を再現してみたいし、またさらに欲が出てきて、暗い庵内に燭台の蝋燭一本の灯りに浮かぶ西洋画調陰影の芭蕉の姿。蝋燭の周囲には飛び交う二、三匹の蛾。 段々私の過剰の虫が湧いて来た。何しろ江東区に依頼されているので、こういう渡世で生きる上での拭いきれない罪悪感は感じないですむ。
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