明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『虎渓三笑図』は修業のため、山を降りないと決めていたのに、訪れた友人を送って行く道すがら話に夢中になり、境界を超えてしまったことに気付き笑っている三人の仏教、儒教、道教を象徴する人物により〝三教一致”の禅の精神を表している。様々な絵師が趣向を変えて描いている。同じく『三酸図』というのもある。酢の入った樽を囲み三人が酸っぱがっている。人物は違えど、これも同様三教一致を示している。四十年の間に笑顔の人物など片手で間に合うくらいしか作ったことしかなかったことと、被写体として中国風石橋の場所を知っていたこと、山深い中国の風景を創作出来るのでこちらを選んだ。しかしこの中国の風景に後々首を絞められることになりはしないか?という気がしないでもないが、後悔は後でするものだから今から思い悩むのは止めておこう。 『慧可断臂図』の慧可の仕上げ。達磨大師に弟子入りを志願するが相手にされず、己の左腕(臂とは肘から下のこと)を切り落とし、覚悟を示した。



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